大谷翔平、エンゼルス1年目の言葉と軌跡 二刀流伝説の幕開け
<SHO-BLUE ワールドチャンピオン特別編> 日刊スポーツでは今季、毎週火曜日に「SHO-BLUE」と題した企画を掲載してきた。ドジャーブルーの青きユニホームで挑戦を続ける大谷翔平投手(30)の世界観に、さまざまな角度からアプローチしてきた。「SHO-BLUE WORLD CHAMPION 特別編」として、夢の1つ「世界一」を実現させた大谷選手のメジャー挑戦7年間をあらためて読み解いていく。メジャー1年目の18年の大谷選手の言葉を集めた第3回は「エンゼルス1年目 二刀流伝説の幕開け」。 【写真】トラウトと談笑するエンゼルス時代の大谷 ■18年大谷語録 「今日はマイク・トラウト選手の結婚式です。結婚、おめでとうございます。本当は27番(トラウトの背番号)をつけたかったですけど、埋まっていたので17番にしました」(=12月9日、エンゼルス入団会見で早くも大谷らしくジョークを飛ばす) 「まず1人暮らしが初めてなので、特に変わるところはないですけど、部屋が広すぎるので、少し寂しい気持ちが強いかなと思います」(=2月14日、メジャーキャンプ初日終了。異国の地で初の1人暮らしに) 「初打席に向かうときっていうのは、恐らくこの先忘れない打席になるのかなとは思うので、すごい特別な感情はあるんじゃないかな。(記念球は)親が来ているので両親に渡したい」(=3月29日、アスレチックスとのメジャーデビュー戦でいきなり記念すべき初ヒット) 「ここまで来たんだなというよりは、始まったなという感じの方が強い。全体的にすごく楽しめたかなと思います」(=4月1日、アスレチックス戦で投手デビューで初勝利) 「(投手復帰まで)長いかなとは思いますけど、打者では出ていたので、正直、気にする余裕はなかった。あと1カ月、何も考えずに最後までしっかり頑張りたい」(=9月2日、投手復帰) 「自分はホームランバッターだと思ってないですけど、いろいろなやり方で得点に絡んでいけるように。その1つの手段として長打を打てれば良い」(=9月15日、20号到達) 「(手術を)やらないという方向も含めて、いろんなプランも提案してもらって最終的には自分で決めた。手術が失敗しないことを祈ってというか、それ(手術する)まではすっきりしないと思います。普通なら1年半は試合に出られない。その中で貢献できるもの(打者)があるということは、むしろプラス」(=9月26日、トミー・ジョン手術が発表された翌日に手術までの経緯や心境を語る) 「アメリカの野球は初めてなので、その1年目でこういう賞をもらえてすごくうれしい。この先の方がもっともっと長いので、そこでいい活躍ができるように、今のうちからまた来年に向けて頑張りたい」(=11月12日、ア・リーグ新人王に) 「自炊といっても朝だけなので、軽くオムレツ…その程度。勝負めし? 特にないです。おいしい、すしを食べたい」(11月22日、メジャー1年目を終えて帰国。記者会見で米国での私生活を振り返り、日本食が恋しいと語る) ■18年の歩み ◆2月14日 エンゼルスのキャンプ初日。フリー打撃で33スイング、7発で度肝を抜いた。 ◆3月27日 エプラーGMが開幕メジャー昇格を明言。ソーシア監督からは4月1日アスレチックス戦での投手デビューを伝えられた。 ◆3月29日 敵地でのアスレチックス戦との開幕戦に「8番DH」でメジャーデビュー。初打席で初球を右前打。5打数1安打1三振。 ◆4月1日 アスレチックス戦で投手デビュー。先発して6回3安打3失点で初登板初勝利し、「二刀流」挑戦の本格的な幕開け。 ◆4月3日 インディアンス戦の1回2死二、三塁で右中間へ本拠地初打席初本塁打。味方からは「サイレント・トリートメント」で沈黙の祝福。 ◆4月22日 ジャイアンツ戦で初めて「4番」に。DHで4打数1安打。 ◆5月27日 NYでヤンキース田中と5年ぶりの対決。2打数2三振と完敗。 ◆6月8日 右肘の内側側副靱帯(じんたい)の損傷で自身初となる10日間の故障者リスト(DL)入り。PRP注射も受けた。 ◆7月3日 マリナーズ戦で1カ月ぶりに「6番DH」で出場し、手術回避決定から5日後のスピード復帰。 ◆9月2日 アストロズ戦で3カ月ぶりに投手に復帰。2回1/3を2失点で降板も最速は159キロを計測。 ◆9月15日 マリナーズ戦で松井秀喜以来の20号に到達。 ◆10月1日 シーズン終了翌日に右肘のトミー・ジョン手術を受けて成功。 ◆11月12日 ア・リーグの最優秀新人(新人王)に選出。日本選手では01年のイチロー外野手(マリナーズ)以来17年ぶり4人目の快挙。