【大学野球】早大先輩理事が慶大主将・本間颯太朗に「ブラシ」をプレゼントした理由は?
お互いをリスペクトしてプレー
当番校の立場として、東京六大学野球連盟の発展を心から願っている。早大にとって、慶大は永遠のライバルだが、早大の役員が慶大の学生を称えるのは、ごく自然。あくまでも勝敗を競う「対戦相手」であって、そこには「尊敬の念」がある。また、根底に「仲間意識」がある。これが、東京六大学の良さ。予期せぬ流れに、慶大の主将・本間は驚きを隠せなかったが、これ以上の喜びはない。 「かつて明治の選手がやっている姿を見て、マネをしたのがきっかけです。お互いをリスペクトしてプレーすることは、大切だと感じています。来年で100年という、長い歴史を積み上げてきた東京六大学。僕たちも伝統の一部になれるように、精いっぱいプレーしていきたい。この春は、不甲斐ない結果でした。主将になって、どこかに重圧があり、雑念があったかもしれません。このブラシをユニフォームのポケットに忍ばせて、秋はたくさん打ちたいと思います!!」 出席者は、一堂に笑顔になった。 東京六大学は創設された1925年秋から99年、6校が手を取り合う『共存共栄』のスタンスを取ってきた背景がある。懇親会の中締めは、過去にない展開で、会場内には和やかな空気が流れた。岡村先輩理事の発信は、学生野球の原点を確認する貴重な場となった。 文=岡本朋祐
週刊ベースボール