【高校サッカー選手権】「僕が抜かれなきゃピンチは作られない」東海大甲府DF澤田湘太郎は守備を楽しんで全国を目指す
11月2日、第103回全国高校サッカー選手権山梨予選準決勝が行われ、日本航空と対戦した東海大甲府が1-0で勝利を収め、決勝進出を決めた。 【フォトギャラリー】日本航空vs 東海大甲府 「自分たちから仕掛けて誘導して、入れさせて、プレスバックしてという感じで。特にこの細かいポジショニングだったり、切り替えのところ、この数メートルのところは結構こだわって選手にも伝えてきました」(大石奨悟監督) 今年から就任した大石監督の下、守備の強化を徹底的に計ってきた東海大甲府。指揮官の指導が実り、今大会、ここまで無失点を継続中。そんな東海大甲府にあってこの日、守備で光を放っていたのがDF13澤田湘太郎だ。苦しい時間帯では、競り合いに勝ち、味方を鼓舞するガッツポーズも見せた。 「まずは勝って、決勝に行けてよかったです。気持ちですね。抜かれなきゃ失点することはないので、気持ちで抜かれないように頑張りました」とハキハキとした口調で試合を振り返ると「今大会は1失点もしてないんで、大会の中で成長したのもそうですし、この夏、そういう守備を意識してやってきて、この大会で発揮できています。例えば、ゴール前ではブロックを組んでゴールを守るっていうのは、チームとしても目標にして、しっかり意識をしています。後半の最後とかコーナーで決められそうになったんですけど、みんなでゴールを隠してブロックを組んで、しっかり弾けたのが今日の勝利の要因だと思います」とここまでの戦いぶりに胸を張る。澤田自身もサイドバックとして日本航空の攻撃をしっかりと封じた。 「気持がち入って、気合が入ってました。小学校からずっと守備、センターバックとか守備のポジションで、守備の1対1っていうところは自信を持ってやってきたんで、そういうところが活きていると思います。(もし抜かれても)抜かれた後は全力で戻るってことはチームみんなが意識してるんで、抜かれたままで終わらないことは(自分自身も)意識してます」 決勝の相手は山梨学院高等学校。東海大甲府の3年生にとっては1年生大会の決勝で悔しい思いをした相手だ。 「1年生大会で(山梨)学院に決勝で0-2で負けてるんで、その借りを返すっていうのもそうですし、(田川)直樹キャプテンを中心にこの1年間全国を目指して頑張ってきました。(山梨)学院を倒して全国に行くところに意味があるので、絶対に勝って全国に行こうと思います」と勝利を誓った。また、次戦に向けては「攻撃については、相手は全国レベルですが、まずは僕が抜かれなきゃピンチは作られないと思うんで、1対1で負けないっていうところを重点的に置きながらも、攻撃参加とかで、アシストとか点を取れたらいいかなと思います。本当は攻撃をやりたいんですけど(笑)。守備から入って余裕があれば攻撃っていう風には意識してます。守備も楽しいで」と意欲を示した。 直前の試合でライバル・山梨学院が韮崎を相手に2点のビハインドから追いつき、逆転した光景を目にした澤田。 「(最後の最後に2点差を)追いついて逆転するっていう力は、全国で見てもそうそうないですし、絶対に簡単な試合にはならないと思うので、最後までピッチ内で仲間と声を掛け合ってやっていければと思います」と決勝の相手を警戒した。 (文・写真=西山和広)