テーマは“生きるとは?” 絵本作家・ヨシタケシンスケ「小さい子にきょとんとしてほしい」
■“生きるとは?”=びっくりすること
――ヨシタケさんにとって「生きるとは?」はなんですか? 僕の一番はやっている結論としては、人間はびっくりするために生きているんだというのがあって。幸せになるために、いろいろ努力しても思いが届かなかったり、誰も悪くないのにがっかりされちゃったり、そういうことが世の中にいっぱいあるわけで。「幸せになりたかったけど幸せになれなかった人は失敗」とか言われると全然そんなことはないはずだし、そんなふうに言われたくないはずだし。「びっくりするために生きてくるんだよ」というふうに言われると、いいことが起きた人も悪いことが起きた人もどっちにも当てはまるんですよ。「うまくいかなかった、でもこうなると思わなかったよね」、ゲラゲラゲラみたいな一つの苦笑いの仕方みたいなのは面白いんじゃないのかなと。“思い通りにいかない現実”みたいなものの受け取り方の一方法みたいなものが本を通じて提案できればいいなというのはいつも思っていることなんですけど、今回わりとダイレクトにお話の形として1冊になった感じです。