「将来的にはメジャーで」城島健司SC 王貞治会長、小久保裕紀監督も惹きつけたソフトバンクの新星20歳育成捕手 22年ドラフト〝最下位〟
ビジターの東京ドームに報道陣が集まった。その中心でソフトバンクの城島健司球団会長付特別アドバイザー兼シニアコーディネーター(SC)が語り始めたのは2年目の育成選手の大いなる可能性についてだった。 ■3人のレジェンドがそろって注目する20歳捕手【写真】 「僕らが期待してるのは、スケールのでかさというか。今まで歴代のプロ野球のキャッチャーが塗り替えてきた、打つことでも守ることでも、全部覆してくれる。そんなスケールの大きい選手になってくれないかな、という期待は持ってますね」。大いなる可能性を見いだした相手は、盛島稜大捕手(20)だった。 沖縄・興南高から育成ドラフト14位で2023年に入団。12球団全体で最後、126番目の指名選手だった。支配下、育成合わせて11人いる捕手の中で、なぜ彼なのか。城島SCが語った一番の魅力は、公称187センチ、104キロという「スケールの大きさ」だった。 「でけえっす。俺が19歳の時よりも圧倒的にうまそうだし。彼には将来的にはメジャーでキャッチャーをやれるぐらいのスケールのでかいキャッチャーになってほしいなと思って。そういう期待をもっています。それと、彼はそれだけの体とポテンシャルを親からもらったわけですから、彼には努力次第で今後の人生は大きく変わってきますし、そういうのを『せっかく親からもらったんだから生かしなさいよ』っていう話はしましたけどもね」 秘めたるポテンシャルには、チームの首脳陣が〝運命的〟な形で惹きつけられていた。「この野球界ってね、実力もなんですけど、運も大事なんですよね」と語った城島SCが盛島の存在を見つけたのは、昨年の秋季キャンプでウエートトレーニングをしている最中だった。「何人も選手いる中で体でかかったから、あいつ誰だろうと思って。それが僕の初めての出会い」 小久保監督の目にもとまった。3軍の韓国遠征の映像を見た指揮官は、城島SCとの話の中で「あのキャッチャーいいキャッチャーだな。打つ打たないじゃなくて、キャッチャー守ってる姿が非常にいい」と評価をしたという。話はそれで終わらない。王貞治球団会長も続いた。「会長とそういう話聞いてて、『お、明後日行くから見てくるよ』って言って。会長まで話が行くっていうことは彼は持ってるんですよ」(城島SC)。 ホークスの歴史をつくってきた3人のレジェンドがそろって注目する縁も、プロ野球選手として輝いていくうえで必要な要素。城島SCは「1番伸びる時なんですよね。やっぱ20歳前後って。いい出会いをして、そのままなんか止まらずに、自分の可能性を自分でここらへんかなと思わずに、なんかどーんと突き抜けていってほしいなって。そういう期待はしています」とチャンスをつかんでほしいと願っている。 多くの育成選手を抱え、これまでも千賀、甲斐、牧原大らを輩出してきたソフトバンク。未来の正捕手候補にとどまらない大器の誕生を予感させる。
西日本新聞社