将棋まつりに登場、つるの剛士「第二のふるさと」大阪・高槻市を語る「昔は草ボーボーのあの場所が…」
全国で初めて「将棋のまち推進条例」を9月に制定した高槻市で、11月16日に将棋イベント『高槻将棋まつり』が開催される。当日は俳優でタレントのつるの剛士がステージに登場し、谷川十七世名人、古森五段たちとトークショーをおこなう。アマチュア三段の実力を持ち、2023年より「将棋のまち高槻」のPR大使を務めるつるのに話を聞いた。 【写真】高槻市では小学1年生に高槻産木材の将棋駒をプレゼントしている ■青春時代を過ごしたまち、高槻。当時の友だちから「ポスターみたで!」の連絡続々 ──つるのさんは幼少期を高槻市で過ごされたそうですが、高槻市での思い出はありますか? 6~12歳を高槻で過ごしました。青春時代を過ごした場所なので、いまも高槻は「第二のふるさと」として大切に思っています。実は将棋を覚えたのも、高槻にいた頃なんです。通っていた学校に「雨が降ったら将棋盤を持って行って良い」というルールがあって。雨が降るとはりきって将棋盤を持って学校に行き、友だちと将棋で遊んでいましたね。 当時の友だちとは今でも仲が良く「近所でつるちゃんのPR大使のポスターみたで!」とたくさん連絡くれています。あの当時は、将棋の「しょ」の字もなかった高槻に、大阪市福島区から「関西将棋会館」が移り、「将棋のまち」として盛り上がるなんて、全く想像してなかったですね。また日本将棋連盟創立100年の記念すべき年に、こうして高槻で将棋をPRする役目をいただいていることが光栄です。 ──釣りやバイクなど多趣味なつるのさんがハマった「将棋の魅力」について教えてください。 高槻にいたとき以来、将棋はやっていませんでしたが、24歳の時に将棋を再開し、その後真剣に勉強して、番組を持たせてもらうなどになりました。「その人を知りたければ、将棋を指せ」と言うほどに、将棋は相手の人柄がわかるのが魅力。 今の時代は、気軽なネット将棋もあり、それはそれでゲームとしての面白さがありますが、相手の熱量を感じながら、向き合って駒を指すのが好きです。また囲碁やオセロとかいろんなゲームがありますが、将棋はそれぞれの駒にちゃんとキャラクターがあるのも面白いですね。 ■幼稚園教諭2種免許、保育士資格を持つつるのが、子どもたちに将棋を勧める理由 ──つるのさんは子どもの教育に強い関心を持ち、大学でも学ばれていますが、教育の場でも将棋は活かせますか? 小さい子どもたちにも、ぜひ将棋に触れあってほしいです。勝負に負けても勝っても、お互いの気持ちがめちゃくちゃわかる、心を読み合うゲームです。「礼に始まり、礼に終わる」そんな将棋から学ぶことはたくさんあると思います。 実は今、非常勤で幼稚園に勤めていて、勤務先の幼稚園で将棋が流行っています。将棋の指し方を教えていたら「つるの先生、将棋やろ~」って園児たちが将棋盤の周りに次々集まってくるので、今では幼稚園に将棋盤3つ置いているほどです。 ──子どもたちに囲まれる様子が想像できますね!つるのさんの自身の5人のお子さんとも将棋を楽しまれることはありますか? 過去、子どもたちにも、将棋を教えようと何度も挑戦してきましたが、結構難しかった。自分自身がどうしても子どもに負けてあげることができなくて・・・。思えば、昔うちのおやじもそうで、勝負しても絶対勝ちを譲ってはくれませんでした。血筋ですね。 でも今は自分も成長して、子どもに負けてあげることができるようになりました。そうすると次男が将棋にハマって、真剣に取り組んでます。息子と一緒に将棋を楽しめるのはうれしいですね。 ■「人間将棋」に倣って、高槻市オリジナルの「埴輪将棋」やってみたい! ──『高槻将棋まつり』の意気込み、今後つるのさんが高槻市でやってみたいことなどありますか? 「安満遺跡公園」って、昔は草ボーボーの場所でしたよね?子どもの頃は、あの辺りを走り回って遊んでいました。そんな場所が、いまや立派な公園になって、大きなイベントが開催されるのは感慨深いものがあります。 イベント当日の16日は、全国からぜひ高槻に集まっていただき、将棋好きはもちろん、そうでない人も交流が広がるといいなと思っています。今回トークショーに出演するので、高槻時代の友だちがみんな家族を連れてステージの応援にきてくれると言ってくれています。ひさしぶりに懐かしいみんなの顔が見れるのも楽しみです。 そして、高槻市将棋のまち推進課のみなさんにも提案してるんですが、山形県天童市や兵庫県姫路市で行われている「人間将棋」に倣って、高槻市では「埴輪将棋」をイベントでやると盛り上がるんじゃないかと。高槻は「埴輪のまち」でもあるんですよね。もし実現するなら、良かったらイラストも描きますし、全面協力しますよ。 ◇ 『高槻将棋まつり』は11月16日に「安満遺跡公園」で開催。入場は無料。ステージではトークショーのほか、東西対抗ペアマッチが公開対局としておこなわれる。また、コミック『将棋の渡辺くん』の作者・伊奈めぐみさんのサイン会や塗り絵、声優・岡本信彦さんのオーディオラリーなど複数の企画、フード出店などを予定している。