結婚25年。ベッカム夫妻は仮面夫婦か?
本の内容は再掲載に過ぎないとも...
しかし、準備期間が短過ぎたようだ。かつて綿密なリサーチを重ねて、ナチス戦犯クラウス・バルビーの犯罪を暴いたり、サッカー界の腐敗を暴露したバウアーだが、『The House of Beckham: Money, Sex and Power』は、囁かれてきた噂やゴシップ誌やタブロイド紙の記事の再掲載に過ぎないという声もある。セレブ夫妻の結婚は悪魔との取引に成り下がったと貶し、仮面夫婦であることを隠すために長男ブルックリンと女優ニコラ・ペルツにより多くの注目が集まるように画策しているとの主張も納得がいかない。 写真:ブルックリン・ベッカム、ニコラ・ベルツ
真実は本人たちのみ知る
そして何よりも気になるのがバウアーがこの本で何を伝えたいのか、だ。仮にベッカム夫妻がブランドを維持するために結婚生活を続けていたとしても、それのどこに問題があるのだろうか? もちろんドキュメンタリー番組やメディアの情報だけではわからない夫婦間の問題はあるだろうが、それを周知する必要性があるのか? 権力や名声に貪欲な夫婦という描き方も一方的すぎるし、夫婦の真実なんて当人だけが知っていればいいことだ。
Z世代的には知らなかったゴシップを読むという楽しみのある本かもしれないが、二人のロマンスや家族が増えるのをリアルタイムで知っている世代には退屈な本のようだ。