結婚25年。ベッカム夫妻は仮面夫婦か?
大事なのは「ベッカム」ブランド
しかしバウアーの著書によると、本物のロマンスで始まった夫婦関係は“よそよそしいビジネス関係”に変わったのだという。スポーツ選手からポップ・カルチャーのアイコンになったデイヴィッドとファッション・デザイナーとして一流の仲間入りを果たしたヴィクトリアは、「ベッカム」というブランドを守るために団結したと彼は主張する。「問題は解決しないままだったものの、夫妻は世間がベッカム一家に抱いていた"幸せな家族の幻想 "を維持するために共同戦線を張ることにした」のだ書いている。
喧嘩の内容とは?
夫妻の不坂の証拠(?)として彼が挙げているのは、2016年のロンドンでのファッション・ウィーク中の出来事だ。ディナー・パーティーのホストを務めるヴィクトリアはマイアミに滞在していたデビッドを呼び戻したが、「パーティーが終わる頃には、ヴィクトリアはデビッドがアメリカに残ってくれればよかったと思ったはず」と断言している。どうやら夫妻はパーティーの席で口論したようで、これは当時もゴシップとして囁かれていた。
またもう一つの証拠(?)としてバウアーが書いているのが、2017年のグラストンベリー音楽フェスティバルで目撃されたという夫妻の口論だ。側近や若手モデルたちと午前5時までパーティーをしていたデビッドは、ヴィクトリアからの電話やメールをことごとく無視。激怒したヴィクトリアは翌日ゴルフ・カートに乗ってVIPエリアまでわざわざ夫を探しに行き、起きてきたデイヴィッドと激しい口論になったというのだ。
完璧な家族イメージの裏側は?
どんな仲良し夫婦だって喧嘩くらいするし、ベッカム夫妻の口論が不仲の証拠となるかは大いに疑問だ。前述したドキュメンタリー『ベッカム』は、デイヴィッドの成功や夫婦関係はもちろん、パーソナルな問題に触れただけでなく、厳しいイメージ管理の手法にまで踏み込んでいた。世間にハッピー・ファミリーと信じさせたいだけで、実際は完璧な一家ではないのかもとの疑問を抱いた人もいただろう。バウアーはきっとその一人で、培ったリサーチ力を駆使して、ベッカム一家の伝記本を素早く仕上げたのだろう。 写真:ロメオ・ベッカム、デビッド・ベッカム、クルス・ベッカム、ブルックリン・ベッカム、ヴィクトリア・ベッカム