【インタビュー】西武・古賀悠斗インタビュー 勝つより負けない「投手あっての捕手。陰の存在で構いません」
周囲の期待に応えたい
西武・古賀悠斗[捕手/2年目]
ルーキー時代を経て、ひと回り大きくなった。今季79試合でスタメンマスクをかぶっている古賀悠斗。リーグ3位のチーム防御率2.99の投手陣を陰ながら支えている存在だ。 取材・構成=小林光男 写真=橋田ダワー、高塩隆 ※成績・情報は9月3日現在 背中にまとう番号は「22」だ。かつて西武ではキャッチャーの和田一浩、中嶋聡、野田浩輔が着けたが、“捕手の背番号”として古賀の背中で復活した。先人たちはそれぞれの色を見せて、勝利に貢献。古賀も自らの考えをしっかり持ち、チームの力になろうとしている。 ――座右の銘で「勝つより負けない」を挙げていますが、その理由を教えてください。 古賀 負けない気持ちのほうが辛抱強く、自分自身を奮い立たせるように感じるんです。勝つことだけを考えていたら、勝利を得ると安心してしまって、その先が見えなくなるようにも思います。でも、負けない気持ちを抱いていると、向上心もずっと持ち続けていられるかな、と。大学時代にこの言葉を目にして、座右の銘としています。 ――負けないことを考えると言うと、捕手としては点を取られても最少失点で切り抜けるというところにも通じるように思います。 古賀 思考をそういった方向に持っていったら、すべてうまくいくかな、と。もちろん勝つためにどうしたらいいかという考え方も大切です。でも、負けないために何をやるべきかと考えたほうがキャッチャーというポジションには合っているのかな、と。自分の中でピンときました。 ――負けない気持ちは当然、ライバルに対しても抱いている。 古賀 そうですね。前半戦は柘植(柘植世那)さんと併用される形で、出場試合数も今みたく多くはなかったです。そんな中で、「絶対に負けない」という気持ちは常に頭にありました。 ――プライベートでも負けない気持ちでいる? 古賀 いやいや(笑)。オフのときは、そんな心境ではないですよ。でも、オフをオフと感じられたときは、あまりないかもしれません。 ――やはり、オフでも野球のことを考えてしまうことが多いですか。 古賀 毎試合、毎試合、ゲームが終わったあとに試合を振り返っていますが、まだ自分の中では余裕がなく、反省し切れないことがあります。そういうときでも次の日に試合があるので、その日は気持ちを切り替える。だから1週間で月曜日が休みだったり、移動日だったりしますが、そのときにあらためて1週間の中で反省し切れなかった点を振り返っているんです。だから、公式戦がない日ですけど、完全に頭から野球が離れることはありません。 ――1年目の昨季は26試合出場でしたが、今季はすでに86試合。スタメンマスクをかぶることも多く、自ら望んでいたことでしょうが、大変な日々なのでは? 古賀 いや、そんなことはないですよ。とにかく・・・
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週刊ベースボール