この記事にも誤字があります “日本語の間違い本”が話題の理由
親などの同意がないと、未青年はスマートフォンの契約ができません――。 この一文の中に「誤りが1つ」ありますが、お分かりでしょうか。いきなりでびっくりされたかもしれませんが、正解は「未青年→未成年」です。 【画像】これ、どこが間違い? SNSで500万回閲覧! 思わず引っかかる日本語の“誤り”に挑戦 問題文の中から誤字や事実関係などの誤りを見つける本が話題になっています。タイトルは『小学生からチャレンジ えんぴつ1本ですごい変な文章を見抜いて国語力を上げる本』(岩佐義樹 (監修)/JTBパブリッシング、1100円)。 いわゆる“日本語の間違い”を探す本ですが、監修者の岩佐義樹さんが所属する毎日新聞の校閲センターがXで、カバーや帯をアップして投稿しました。すると、1週間ほどで500万回以上も閲覧されることに。 本のカバーや帯にも日本語の誤りがあるので、それを見た人は「おかしな点」を次々に指摘。読者からは「文章のどこに気をつけるべきかが分かった」「文系の高度な間違い探し」といったコメントが届いたそうです。 本書は11月6日に発売し、すぐに重版が決定。タイトルに「小学生から~」という文言が入っているので、子ども向けかなと思われるかもしれませんが、ビジネスバーソンの購入も目立っているようです。 会社の公式な文章で、誤字や誤用は避けたいところ。特に固有名詞の間違いは要注意ですが、本書では間違いやすい固有名詞やそのパターンをいくつか挙げているので、大人もついつい手にとってしまうのかもしれません。
気になる2問
本書は「準備編」(文中に誤りが1~2個)、「練習編」(同3個)、「本番編」(同5個)に分かれていて、問題文は計50個掲載されています。 なぜ、このような本を出したのでしょうか。編集担当の長岡平助さんは毎日新聞で記者として活躍し、出版局(現在の毎日新聞出版)で書籍などの編集も担当していたそうです。 著者の原稿に間違いがないかチェックしていたところ、危うく間違いを見逃すこともあったとか。こうした経験から「日本語の間違い探し」の本を出せば、おもしろいかもしれないと考えたそうです。 好調の要因について、長岡さんは「これまでにあまり見たことがない切り口が目を引いたのではないでしょうか。『本はオワコン』という風潮がありますが、切り口次第でまだまだより多くの読者に楽しんでいただけると信じています」と話しました。 そんな長岡さんに、個人的に気に入った問題文を2つ挙げてもらいました。 1つめは「63歳の祖母はシャインマスカットが好きだ。初めて食べたのは5歳のときだそうだ。」 上記の一文に、誤りが1つあります。世代間の常識が問われていて、年配の人であればすぐに分かるかもしれません。答えは、最後に掲載しています。 2つめは「あのアイドルは人気が加熱し、チケットも購入しにくくなっている。まさに高値の花だ。」 上記の一文に、誤りが2つあります。長岡さんが記者時代、急いで書いた原稿に実際にあった誤りだそうです。「校閲記者に指摘され、恥ずかしくなりました。誤ったまま掲載されずにすんで、ほっとしたのを今でもよく覚えています」(長岡さん)とのこと。こちらの答えも、最後に掲載しています。 本書を出したところ、ネット上で「これも誤りではないか?」といった指摘がいくつかあったそうです。このことについて、長岡さんは次のように語りました。 「言葉は不変ではなく、その時々で意味や用法が変わります。辞書によっても解釈が異なるものがあります。間違い探しを通じて日本語の、あるいは文章を書く・読むという行為の奥深さに触れていただきたいというのも本書の企画の一つ。『誤り』に対するさまざまな指摘は、とてもうれしかったですね」 さて、最後に問題を1つ。この記事の中で、日本語の誤りが1つあります。それはどこでしょうか? 答えは最後に。