G20でドル高懸念を議論も、行き過ぎた円安には適切対応-鈴木財務相
(ブルームバーグ): 鈴木俊一財務相は12日、米ワシントンDCで来週開催される20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議では、米利下げ観測の後退を背景としたドルの独歩高への懸念が議論される可能性があるとの認識を示した。閣議後会見で語った。
鈴木財務相は、G20会議でドル高が議題になるかどうかを問われ、「可能性はあると思う。以前にもそうしたいわゆるキャピタルフライト(資本逃避)について議論にもなったことがある」と語った。足元の円安については、「行き過ぎた動きに対してはあらゆる手段を排除することなしに適切に対応を取っていきたい」との考えを改めて示した。
ドル独歩高で世界に痛み広がる-各国の通貨当局、対応に苦慮
今年2月のブラジルG20では、2021年4月のG20声明の為替に関するコミットメントを再確認した。同声明では、「為替レートの過度な変動や無秩序な動きが、経済および金融の安定に対して悪影響を与え得ることを認識する」などとしている。ドル高進行で自国通貨安を食い止めるための対応を迫られている国もあり、今回のG20ではドル高を巡る議論の行方が焦点の一つとなりそうだ。
12日朝の東京外国為替市場の円相場は1ドル=153円台前半でやや円高に振れて推移している。前日の海外時間には一時153円32銭と1990年6月以来の安値を更新していた。米国景気の堅調さを示す経済指標を受けて米利下げ観測が後退する中、円は売られやすい状況にある。一方、日本の為替介入への警戒感も強く、通貨当局の発言を市場は注視している。
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Emi Urabe