「家族を亡くした格闘家はどんな思いでリングに上がるのか」。映画『若き見知らぬ者たち』の福山翔大とUFCファイター平良達郎が語り合う!
平良 だいたいジャブからですね。次に相手がどう動くかは想像でしかないけど、(相手が)下がるなら(自分は)一歩詰められる。右に回るなら、自分も右に行かないといけない。オクタゴンの中で僕はセンターを取ることを意識しているのでポジション取りも重要ですね。 福山 うん、うん(食い入るように聞き入る)。 平良 そういうことを意識するようになってからはスパーリングの動きも変わってきたと思います。 福山 ジャブ、ジャブ、ワンツー、ストレート......。いろいろなコンビネーションを想像しながら出していくと思うんですけど、自分の中で「これを決め技に持っていく」というものはありますか? 例えばこの右ストレートで終わらせるみたいな。 平良 (呼応するように)僕も右のパンチが得意。右ストレートを当てたいと思うからこそ、その前のワンツーを打つ前にフェイクを入れたり、リズムが単調にならないように意識していますね。構えた状態から打つと相手にも読まれやすい。だったら一回身を沈めたり、右目で見ていると思わせて左目で見たり。いかに騙すかを考えながらやっています。 福山 勉強になります。本当に貴重です。うれしいです。 平良 あとはバランスですね。強いパンチを打ったら、その分、戻し(打つ前の体勢に戻ること)も遅くなる。打った後にすぐまた動けるような体勢に戻ることは難しいけど、そこを意識する。 福山 さっそく練習に取り入れてみます。映画の撮影に向け1年間ずっとMMAの練習をやっていましたが、今も格闘技の練習は続けていて、主にブラジリアン柔術とキックボクシングをやっています。もう一回基礎から積み上げていけば、MMA的な動きがもっとやりやすくなるかなと思っているので、馴染んできたら(ジムの)MMAクラスにドップリと入っていこうかと。 平良 いいと思います。 ──最後に、映画と試合についてひとことずつお願いします。