敦賀気比の18番、「世代最強左腕」に一歩も譲らず センバツ
◇センバツ第3日(20日)2回戦 ○大阪桐蔭3―1敦賀気比(福井)● 世代ナンバーワンと評される大阪桐蔭・前田悠伍に、敦賀気比の背番号「18」の2年生・竹下海斗が一歩も譲らない投球で立ち向かった。 【V経験校同士の一戦…大阪桐蔭vs敦賀気比を写真で】 直球の最速は130キロ台半ばと決して速くない。しかし、しっかり腕を振って緩急をつけ、6回2失点と先発の役割を果たした。四回2死一、二塁の場面では「憧れの選手」という前田をチェンジアップで三振に仕留めた。「この冬、一番磨いた球。前田選手に通用したのはうれしい」と口元を緩めた。 昨夏の甲子園は悔しさが残った。3回戦の聖光学院(福島)戦で三回途中から登板したが、制球を乱して2回余りで4四球4失点で降板し、チームも大敗した。「力んで何もできなかった。緊張しないぐらい練習をしようと思った」と振り返る。 夏の悔しさをバネにして、冬場の練習に取り組んだ。「冬の間にみっちり筋トレした。さらに、体重移動を調整して、強い球がいいところに決まるようになった」。フォームの安定感が増し、ボールに指がかかるようにもなった。 試合2日前に登板を告げられても「緊張はしなかった。自分の実力を出し切ろうと思っていた」と話す強心臓の持ち主。東哲平監督は「調子が良かったので、竹下でいこうと決めていた。何とか一泡ふかせてやろうと思っていた。こういう(接戦の)展開に持っていきたかった」と語った。 「もっと成長して、また甲子園に帰ってきたい」。勝利にこそ届かなかったが、16歳の左腕は2度目の夢舞台で確かな手応えをつかんだ。【木村敦彦】