【クルエルティフリーのアイテム】ストレスのないアクションを徹底する|宇野唯奈のサステナブック
私なりのサステナビリティ
――そのほかに、普段の生活のなかで意識していることはありますか? フードロスに気をつけています。規格外の野菜やフルーツが売られているときは、できるだけそちらを選ぶようにしています。まだ食べられるのに売れ残ってしまった食品を見つけることができるアプリ「TABETE」の利用もおすすめです。 家では、冷蔵庫の中の食材を無駄にせず、賞味期限内にすべて食べきるように毎日の献立を考えています。これは、ゲーム感覚で楽しみながら続けられているフードロス削減アクションです。 ――高校の時にフロリダでの寮生活を送るなかでジェンダー問題に気づき、そこからあらゆる社会問題に関心を持ったそうですが、具体的にどんなことがきっかけだったのですか? 高校時代にラクロスをしていたのですが、女子選手は男子選手から格下に見られたり、「女性だから料理を学ばなきゃね」といった偏見を含んだ発言を受けたりしました。でも、先生や友人たちはそのような発言を見逃すことなく、すぐに指摘し、それを学びの場として活用していたんです。 これは10年前の話ですが、当時の日本では笑ってごまかしていたようなことが、実際には差別や格差を助長するものであると気づかされました。 そこからジェンダー学を深めていくなかで、すべての社会問題はジェンダーの視点から考えることができ、またその視点を忘れてはいけないと感じました。例えば、気候変動によって移住を余儀なくされた地域では、男性が出稼ぎに出て、女性だけが取り残されるケースがあります。また、難民キャンプでは性被害が問題となっています。このように、ジェンダー問題は非常にセンシティブで複雑ですが、それだけ学ぶ価値があり、興味深いテーマだと思います。
――何から始めればよいのかわからないという方にアドバイスはありますか? 例えばサーフィンが趣味であればビーチのゴミを拾って帰る、動物が好きであればクルエルティフリーのアイテムを使ってみるなど、自分が興味を持てるものから始めるのがいいと思います。もしそれが見つからない場合は、マイボトルやマイバッグを持つことが一番簡単で取り組みやすいです。ストレスなく続けられる行動を徹底することが大切で、それが私のおすすめするアクションです。 実は、私の母もサステナビリティにはあまり関心がなかったのですが、ゴミの分別について発信している芸人・滝沢秀一さんのSNSを見てから意識が変わりました。今ではゴミの分別を徹底し、私にも教えてくれるほどです! ――今後、私たちはサステナビリティとどのように向き合うべきだと思いますか? “It’s only one straw, said 8 billion people.”(たった1本のストローと80億人が言った)という言葉があります。「たった1本のプラスチックストローで何が変わるの?」と思っている人が世界中にいるから今の問題が起きている……。この言葉を見た時にハッとしました。一人の行動では変わらないかもしれないけれど、みんなでやってみなければ結果はわかりません。そういったマインドを持つことが、今後さらに重要だと思います。 そして、今年の夏は本当に暑かったですよね。明らかに地球が異常な状況であると実感した人も多かったのではないでしょうか。気候変動は、これまでの私たちの行動の結果引き起こされているものです。この暑さを思い出して、「気候変動は他人事ではない」と感じることができれば、何かしらのアクションにつながるのではないかと考えています。