「抗争の合図になりかねない」「織田組長自宅を不審な車が…」六代目山口組の三次団体組長・ラーメン店長射殺事件「犯人逮捕予告」で国が「厳戒態勢」を敷くワケ
「即抗争に繋がる」
今年2月、逃亡先の仙台で身柄を確保された金澤成樹容疑者(55)。それに伴い、警察サイドが明かしたのが、神戸市長田で発生したラーメン屋組長の殺害容疑での逮捕予告ともとれる報道だった。背景にあるのは、抗争を阻止したいという兵庫県警の思惑だ。 【写真】その間わずか40秒...射殺現場の防犯カメラに映っていた「黒ずくめの男」 前編記事『「こんなことができるのはアイツしかいない」...六代目山口組の三次団体組長・ラーメン店長射殺事件で浮かび上がった「黒ずくめの男」と「犯人断定」』につづき、金澤容疑者逮捕の最中、水面下で行われていた攻防戦をお伝えする。 昨年4月に神戸市長田で起こったラーメン屋組長殺害事件が佳境を迎えている。今年5月20日を皮切りに、マスコミ各社が余嶋組長殺害容疑で金澤容疑者を逮捕する方針と相次いで報道。この逮捕予告とも取れる警察の動きには、特殊な理由があるという。 「県警内部でも金澤犯人説は以前から有力視されていました。ただ、通常の殺人事件と違い、仮に金澤容疑者が犯人であると断定すれば、それこそ即抗争に繋がってしまう可能性があった。まして当時は逃亡中の身。本人の身柄さえ取れていない中での抗争は混乱も必至です。 そんな背景があり、県警も容易に断定情報を出せなかった。その中で今年2月にようやく金澤容疑者を逮捕。県警としてはまずは茨城の事件の立件に着手し、落ち着いた段階で余嶋組長射殺事件での逮捕へとこぎつけるという算段でした」(全国紙社会部記者)
織田組長の自宅周辺を…
その言葉通り、5月2日、茨城県警は水戸の事件による殺人と銃刀法違反の疑いで金澤容疑者を送検。ここからいよいよ神戸の事件へ本腰を入れることとなる。 「詰めの捜査を行う一方で、県警は抗争の合図にもなりかねない為、発表のタイミングを見計らっていた」(前出・社会部記者) 警察が犯人と認めれば、六代目も黙ってはいない。それほど今回の立件手続きは抗争と隣り合わせだった。実際、警察関係者の間ではこんな怪情報が流れていた。 「4月に入り、絆會組長の織田氏の自宅近辺に不審な車が徘徊しているとの情報が警察関係者の間で回り、県警も覆面の警備を増員するなど警戒に当たっていました」(前出・社会部記者) 水面下ながらも、抗争の芽を摘むような動きを見せていたという兵庫県警。そしてついに5月20日、マスコミによる一斉“逮捕予告”が報じられたのである。だが、国による包囲網はこれだけでは終わらない。 予告報道があった翌日の21日、NHKは公安委員会が六代目山口組と絆會を「特定抗争指定暴力団」に指定する手続きを開始すると先行報道。まさに狙いすましたようなタイミングでの一報だった。