仁部屋和弘&新井裕生の復帰、アルトゥール不在、逸見への期待……木暮賢一郎監督がポルトガル代表戦のメンバー選考を“全部説明”|フットサル日本代表
日本代表は1月30日から2月5日にポルトガル遠征を実施する。2月3日、5日には、FIFAフットサルワールドカップ2021で初優勝した現世界王者・ポルトガル代表と国際親善試合で対戦。2022年9月にブラジル代表、2023年12月にアルゼンチン代表とビッグマッチを続けてきた日本代表が、ついに頂点に挑む。 1月24日に今回のポルトガル遠征に参加する17名のメンバーが発表され、木暮賢一郎監督が記者会見に登場。仁部屋和弘や新井裕生の復帰、オリベイラ・アルトゥールの不在など、選考理由を説明した。
ベテランへのネガティブなイメージはない
■木暮賢一郎監督 今回も非常にいいマッチメイクができました。具体的には、2024年、我々の最大の目標であるワールドカップと、その予選を兼ねたアジアカップを勝ち抜いて大会連覇することへ向け、最後の準備となる試合が現世界王者のポルトガル代表となります。 これは有意義で素晴らしい機会です。 ここまでの強化方針としては変わりません。強豪国とゲームをしながらチームをつくること。そこは12月のアルゼンチン代表戦を含め、自分たちの立ち位置を知る意味でも、アジアカップに向けても最高のシチュエーションですから、いい機会にしたいです。 ──仁部屋和弘選手の招集を含め、今回のメンバー選考の狙いは? 自分が監督になってからは、一貫して選手のパフォーマンスを見ています。Fリーグや自クラブでハイパフォーマンスを出している選手を重視してきました。同等の実力であれば、まずは若い選手を選ぶということも変わっていません。ハイパフォーマンスについては、リーグにおいて競争力の高い試合のパフォーマンスを見ています。ここまで話している選考基準、重視するポイントに合致する彼がこのタイミングで入りました。 メンバー選考のもう一つは、重要なアジアカップ前の最後の準備、テストという位置付けになります。もちろん代表として最高のチームと戦うので、勝利を目指し、現在地を知るということは変わりません。ただアジアカップにどの選手が必要になるか。当然、いつどこでどのようなことが起きるかわからないので、誰が選ばれてもハイパフォーマンスを出せる選手を多く見極めるためには、ここでしか招集するタイミングがありません。 あとは、選手の拡大、拡充、新しいオプション、武器を増やすことも考えています。私はベテランの選手を呼ばないとは言っていないですし、若い選手が好きで、同等の実力であれば若い選手と言っていますが、ベテランへのネガティブなイメージはありません。 ──Fリーグファイナルシーズンは、最後まで優勝が決まらなかったり、いろんなトピックがある戦いでした。今シーズンを見てどのように感じていますか? ゲームには、2つの視点があります。ゲームクオリティと、ゲームの意味合いです。強度やエモーショナルさという視点があり、最高のゲームは、両方を備えています。質が高く、モチベーションが高い。タイトルがかかっていたり、ダービーであったり、順位が変わる戦いであったりですね。 代表チームは、クラブとは違い、私が選べるので、リストを作って、質が高い選手を自分の目で見て決めることができますから、そうしたものを踏まえて試合を見ています。 代表におけるゲームシチュエーションは、W杯やアジアカップなど常にタイトルがかかっていて、モチベーションやエモーショナルなどは、常に最高でないといけません。 ですから、リーグでも、ファイナルのような一つのミスで試合が決まったり、満員の観客の前で試合をしたり、そうしたなかでハイパフォーマンスを発揮することが大事です。 その点では、今シーズンは最後の最後まで優勝争いをしていたこともあり、観客がたくさん来ることも、選手のレベルアップがあることも、選考する立場としては非常に多くのことが見て取れる状況でした。我々にとっても、リーグにも、選手にも、ファン・サポーターにも、スポンサーにも、非常にいいシーズンだったと思います。 Fリーグのクオリティがもっと上がることが代表の強化につながりますし、常に相互作用が働きます。代表チームのベースとなるのは、リーグ戦や育成年代の大会、トレーニングなど、日本で行われていることが土壌です。海外でプレーする選手もいますが、根っこは国内のレベルアップが代表の成長につながりますので、今シーズン良かっただけではなく、来シーズンはもっと質を上げていく、そことエモーショナルの掛け合わせの先に世界最高峰のリーグがあると思います。そこを目指して継続的に力を合わせてやっていく必要があると思います。今シーズンのファイナルシーズンは、アジアカップ前の大事な時期としても、いい試合が多かったなと思っています。 ──若い世代をさらに呼んでいくという、監督としての意思は? そこは常にあります。多くの若い選手を招集していますし、これまでも育成年代の監督やコーチを務め、入口となるところに責任をもってきました。意思は常にあります。 実際に招集できるかどうかは、クラブに所属する若い選手が自分たちで確固たるポジションをつかむこと、リーグで我々の基準を満たすパフォーマンスを示すこと。もう一つは、より多くの監督や指導者が勇気をもってサポートして、その機会を彼らに提供できるか。日々のトレーニングを見られているわけではないので。ただ代表に呼ばれるためには若い選手がクラブでハイパフォーマンスを出し、ポジションをつかみ、日々の練習からアピールすること。そして指導者の支えも無視できないものだと思っています。 ──Fリーグの戦術のトレンドと世界基準とのすり合わせは? Fリーグのすべての監督をリスペクトしています。各クラブの目標、監督の哲学、目の前の試合、サイクルのなかで、どこにターゲットを定めているかの全部を把握はしていないですし、行われていることが世界レベルとか、良い悪いということは言えません。 各クラブの目標も環境も異なりますから、戦術、戦略は私が言うことではありません。ただ、選手がコンペティティブであること、チームが競争力をもって目の前の試合を戦うということは一律だと思っています。その意味では、まだバラつきはあると思います。 タイトルを争うクラブやそこに迫るクラブと、まだそこのエリアにいけていないところ。戦術や戦力ではなく、マインドとしてですね。競争力をもって、シーズンで波が少なくできるところはバラつきがあるので、そこが常にハイレベルで競争力があるチームが増えることが、代表チームの強化にもつながります。そこは今に限らず期待をしています。その競争のなかでハイパフォーマンスを出す選手が増えることが代表強化になります。 なので、上位リーグは非常に競争力があって、なおかつエモーショナルなゲームが、近年の中でも多く見られたと思っています。
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