仁部屋和弘&新井裕生の復帰、アルトゥール不在、逸見への期待……木暮賢一郎監督がポルトガル代表戦のメンバー選考を“全部説明”|フットサル日本代表
相手への分析も対策もあるが、まずは勇敢に戦うこと
──現世界王者のポルトガルはどのようなチームでしょうか。 ポルトガルはこの5年くらい世界のトップにいる国です。A代表がW杯やユーロで優勝しただけではなく、U-19も欧州王者となり、女子も、決勝でいつもスペインと争っています。ユース五輪ではタイトルも獲得しています。全カテゴリーで、すべての大会でタイトルやファイナルに進んでいることが、ポルトガルの強さを表していると思っています。 クラブレベルでも、常にUEFAのファイナルや王者になっています。間違いなくナンバーワンの国だと言っていいと思います。A代表についてはここ数年、タイトルを取り続けています。先日、W杯予選でジョージア代表に黒星を喫したことが相当、久しぶり。それくらい勝ち続けています。育成年代にも力を入れているので、日本で言えば原田快のような、10代の選手がプレーしていますし、我々との試合にも出てくる可能性があります。 王者でありながら、下からの突き上げも、間違いなく世界トップだと思います。 フットサルの中身では、我々が選手の頃とはイメージが異なると思います。守備では近年、かなりの割合でマンツーマンです。アタックでも、リカルジーニョやペドロ・コスタがいた時代は、4-0のシステムを使い、2タッチ以内で小気味良くボールを回して背後を狙い、ポゼッション率が高いイメージもありました。ただ近年は1対1とピヴォ、あとはクラブレベルでもGKを活用する戦いを多く見せている国です。 特に1対1、アイソレーションや個人のアタックに対する質の高さが顕著です。監督としてよりも、フットサルに長く関わっている個人の見解としても、日本との相性は良くないと思います。アルゼンチンのように組織vs組織になるほうが、代表チームは戦いやすい。フットサルの20年ほどの歴史を振り返っても、ブラジルやロシア、以前のイタリアのようなチームにも苦手な傾向はあると思います。ここまでは個人的な見解です。 監督としては、そうしたチームとやれることは素晴らしいと思います。分析をした上で、臆することなく、真っ向からぶつかっていくことが大事です。戦術の戦い以上に、言葉にすると「気持ちを入れて頑張れ」ではなく、本当に「勇敢に戦うこと」が重要です。それが間違いなくカギとなる。彼らのリーグでもそれが起きています。スポルティングと戦う時には、相手は引いてしまう、勇敢になれないことがあります。勇敢な姿勢でゲームに入らないと、我々にとって苦手とするような部類のチームであることは間違いありません。 分析も対策もありますが、そうしたものを具現化するためには、チームとして、選手が勇敢に戦うことがまずは大事です。全選手を分析していて、相手の特徴も理解していますが、そこを忘れてしまっては厳しいゲームになると思っています。 ──勇敢に戦うこと。そこへの働きかけとしては? まずは、勇敢に戦うためには、やり続けること。1試合だけではなく、これまでも様々なゲームで学びがありました。2022年、国内で戦ったブラジル戦は、そうした準備をしながらも勇敢に戦えなかったことで、スコアも内容も苦しい試合でした。あれがスタートだったと思います。その実体験から選手もよりタフになっていると信じていますし、その歩みを止めることなく、さらなる競争力をもって突き進まないといけません。 ポルトガルという相手は、現在地を知る意味でも最高だと思っています。非常に大きな目標があり、選手として、とても重要な2024年の最初の戦いになります。 W杯が控えていて、直前の予選が控えている。ポジション争いもあります。メンバー入りをかけたテストやアピールの場所でもあると思うので、そこをポジティブな方向に導いていいゲームをしたいです。 自分はストーリーが好きですから、このタイミングで仁部屋のような選手が選ばれて、ここでプレーすることも、目に見えないながらも大きな力になります。彼自身、相当な覚悟でくると思いますから、若い選手がそれを目の当たりにして影響を受けることにも期待しています。ベテランやそこに近しい選手たちも勇気になると思います。そうした相乗効果が出たら、日本というグループはもっと強くなると信じています。
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