維新が予算案賛成へ 「うちだけ成果ない」→教育無償化で自公と協議
日本維新の会は12日午前の両院議員総会で、看板政策の「教育無償化」をめぐり自民、公明両党が3党による協議体の立ち上げに応じたとして、今年度補正予算案に賛成する方針を決めた。総会後、前原誠司共同代表は「教育無償化の3党協議の枠組みの設置を含めて政治的な判断をした」と述べた。 【写真】衆院予算委で日本維新の会の青柳仁士政調会長の質問に答弁するため、挙手する石破茂首相=2024年12月5日午後3時8分、岩下毅撮影 前原氏は「自公が(衆院で)過半数割れし、野党の理解が得られなければ一つの法案も予算も通らない。野党の立場でしっかりと与党に提案し、後は自公がどう判断されるかだ」とも強調した。 維新の決定を受け、自民、公明、維新の3党の政調会長が会談。自民の小野寺五典政調会長は「来年の予算を含め、さまざまな政策について協議していきたい。教育問題について3党の専門のチームを設け、しっかり議論していく」と表明し、維新の青柳仁士政調会長は「特に教育無償化について我が党は予算への反映を含めて強く主張している。特別の協議体としてやらせていただきたい」と強調。年内に協議を始めることを申し合わせた。 補正予算案は12日午後に衆院本会議で採決される予定。国民民主党が11日に政策合意を経て賛成方針を決定し、与党が少数ながら可決することが確実になっていた。一方、自民は立憲民主党の主張の一部を採り入れ、1千億円を能登半島の被災地の復旧・復興に充てる補正予算案の修正案を提出する。 これに対し、維新は補正予算案と自民の修正案の両方に賛成する方針。維新内には「国民民主と立憲が成果を得ているのにうちだけ何もないわけにはいかない」(幹部)との危機感が出ていた。(小林圭、伊沢健司、川辺真改)
朝日新聞社