パリ五輪女子サッカーでスキャンダル!ドローンで練習盗撮の“スパイ行為”をしたカナダが勝っちゃった?!
パリ五輪の女子サッカー競技に激震が走った。東京五輪に続く金メダル獲得を目指し、25日(日本時間26日)にニュージーランド(NZ)女子代表とのグループステージ初戦に臨んだカナダ女子代表にドローンを飛ばしてNZの練習を偵察したスパイ行為が発覚。関与したスタッフ2人が強制帰国させられ、ベブ・プリーストマン監督(38)はNZ戦の指揮を辞退してベンチに入らなかった。国際サッカー連盟(FIFA)も懲戒処分を念頭に調査を開始したという。試合はカナダが2-1で逆転勝ちしたが、スキャンダルの余波は収まりそうにない。 【決定的瞬間】カタール戦の延長での劇的決勝ゴール
大会連覇へ向けたNZ女子代表とのパリ五輪グループステージ初戦。フランス東部サンテティエンヌのスタッド・ジョフロワ・ギシャールに、東京五輪でカナダ女子代表を初の金メダルに導いた女性指揮官、プリーストマン監督の姿はなかった。 カナダチームが起こした前代未聞のスキャンダルの責任を取る形で、NZ戦のベンチ入りを辞退すると試合前日の24日に表明していたからだ。 女子サッカー界を揺るがすスパイ行為が発覚したのは現地時間22日。アメリカのスポーツ専門チャンネル『ESPN』などの報道によれば、サンテティエンヌで行われたNZの練習中に、上空に突如として飛来したドローンがきっかけだった。 NZチームがただちに地元の警察へ通報し、ドローンを操縦していた43歳のカナダ人男性の身柄が拘束された。NZ側へ衝撃を与えたのは、禁止区域上空において無許可でドローンを飛ばした容疑で逮捕された男性の素性が、非公認の分析官としてカナダ女子代表をサポートしていたジョセフ・ロンバルディ氏だった点だ。 前出の『ESPN』は、NZオリンピック委員会(NZOC)と、同国のサッカー団体を統括するNZフットボール(NZF)が共同で発表した声明を報じている。 「NZOCとNZFはこれまで、オリンピック競技大会の誠実さと公正さを守ることに全力を尽くしてきたが、2024年パリ大会のグループステージ初戦で、両チームが対戦するわずか3日前に起きたこの事件に深い衝撃を受けて失望している」 NZチームによれば、19日の練習中にもドローンが上空に飛来していたという。これもカナダ側のスパイ行為と見られ、NZOCはロンバルディ氏の逮捕を受けて国際オリンピック委員会(IOC)へ苦情を申し立てた。 カナダオリンピック委員会(COC)もすぐに対応し、ロンバルディ氏と、同氏から映像を含めた報告を受けていたとされる代表チームのアシスタントコーチ、ジャスミン・マンダー氏をチームから除外。強制帰国させる措置を取った。 イギリスの公共放送『BBC』は、COCの謝罪コメントを伝えている。 「フェアプレーを旨としてきたカナダオリンピック委員会は、衝撃と失望に包まれています。私たちはニュージーランドサッカー界、影響を受けたすべての選手、そしてニュージーランドオリンピック委員会に心からの謝罪を捧げます」 さらにイギリス紙の『The Guardian』は、チームの非公認スタッフだったロンバルディ氏の逮捕後の経緯を次のように伝えている。マンダー氏も事情聴取を受けたものの、関与に関する決定的な証拠がなかったとして釈放されている。 「サンテティエンヌ検察の声明では、ロンバルディ氏は逮捕容疑を認めて起訴された後に、8カ月の執行猶予付き有罪判決と押収されたドローン機材の没収を受け入れた。2人は帰国後に倫理面のトレーニングを受ける義務があるとCOCはつけ加えている」