蔵王「樹氷」の木、山形大教員が無断で56本伐採…「許可もらったと思った」
山形大は3日、山形、宮城両県にまたがる蔵王国定公園の特別保護地区で、学術研究院の教員(農学部主担当)が10月、山形森林管理署の許可を得ずに、立ち枯れたオオシラビソ(別名・アオモリトドマツ)の樹木56本を伐採したと発表した。伐採の許可を得たと勘違いしたのが原因という。 【写真】世界でも珍しい「樹氷」、1000年前から形成…温暖化で今世紀末に消滅の危機
オオシラビソは針葉樹で、蔵王の樹氷を形作るが、害虫によって立ち枯れる被害が広範囲に及び、問題となっている。
伐採されたのは、山形県側の蔵王ロープウェイ地蔵山頂駅(標高1661メートル)周辺の国有林。蔵王国定公園内で最も規制の厳しい特別保護地区に指定された区域で、伐採などが制限されている。
同大総務課や同管理署によると、教員は立ち枯れの原因を研究する目的で、同管理署に所定の申請書を提出。内容に不備があり、伐採は認められなかったが、教員は無断で伐採した。
同管理署職員が10月29日に伐採の様子を目撃し、無許可の伐採が発覚した。
大学の聞き取りに教員は「許可をもらったと思った」と話した。一方、同管理署は「口頭で再提出を促した」と説明している。
同大は教員の職階などを明らかにしていない。今後、処分を検討するという。