【バレー】激闘福岡大会振り返る!石川祐希主将&高橋藍合流でファイナルRへ加速/広報リポート
<男子日本代表広報リポート 第5回> <男子日本代表広報リポート 第5回> バレーボール男子日本代表の岸翔太郎広報がお届けする「男子日本代表広報リポート」の第5回。代表チームの舞台裏や秘話を交えながら、パリオリンピック(五輪)に向けて広報の視点から選手情報やトピックを紹介します。 ◇ ◇ ◇ 男子日本代表は8日、福岡・北九州市で行われたパリ五輪の前哨戦となるネーションズリーグ(VNL)予選ラウンド第2週の全日程を終了しました。世界ランキング1位のポーランドには敗れたものの、今大会は3勝1敗で、通算成績は6勝2敗。ファイナルラウンド進出に向けて大きく前進しました。今回はそんな福岡大会の激闘を振り返ります。 4日の初戦で対戦したのは、アジア最大のライバル国イランでした。スタメンは、今大会から合流した石川祐希選手、高橋藍選手の両エースに加え、関田誠大選手、西田有志選手、山内晶大選手、小野寺太志選手、小川智大選手の7人。五輪前最後の国内大会ということで、たくさんのファンの方が応援に駆けつけてくれました! 選手たちもライバルのイランが相手だと、気合が入っているように感じます。石川選手や高橋選手の活躍で3-0のストレート勝利。石川選手は「たくさんのお客さんの前でプレー出来たことがうれしかった。ブラジル大会からチームを見ていて、改めて仲間の頼もしさを知った。コンビネーションを合わせるところはこれから時間が解決してくれると思う。今日の試合ではミスもなく終始相手にプレッシャーを与えられるサーブを打てたので良かった」。高橋藍選手は「半年ぶりに日本のお客さんの前でプレーできることはうれしかった。チームとの合わせという部分ではまだまだ詰めなくちゃいけないが、良いバレーが出来ていたと思う。少し余裕を持ってプレー出来たのでスパイクなど貢献出来たと思う」とうなずきました。 5日、連戦となったこの日は既に五輪出場を決めているドイツとの試合でした。一進一退の攻防となりましたが、3-2のフルセット勝利。パリ五輪でも対戦の可能性があるライバル国から白星をもぎ取りました。 関田選手は「僕たちのスパイクも良かったですが、それ以上に(相手の)レシーブが上回ってきた。相手のサーブも良かったがうまくサイドアウトを取ってなんとか勝つことが出来て良かったです」。西田選手は「ドイツとの対戦は2022年以来だったが違うチームになっていたし、接戦を勝ち切れたのが良かったです。強いサーブにチーム全員が耐えてくれたことが勝因だったと思う。勝てたことは自信になったと思う」と力強く話しました。 6日は、試合のない休養日。セッターの大宅真樹選手がチームに合流しました。「3日前くらいに連絡が入りました。練習でトスが短い部分があったので監督に自信を持ってあげなさいと言われた。試合に出るチャンスがあれば伸びるトスを意識したい」と意気込みを語りました。 休養が明けて迎えた7日は、世界ランキング1位のポーランド戦。試合前のロッカールームでは、栄養士直伝のはちみつレモンでエネルギー補給。小川選手にはちょっと酸っぱかったようですが、他の選手はおいしく食べていました。 スタメンを大幅に変更して挑んだ試合は0-3のストレート負け。それでも、ここまで出場機会が限られていた選手が、それぞれの持ち味を発揮しました。 選手たちは世界トップを相手にして思ったことがあるよう。 ラリー・エバデダン選手は「攻撃面では通用した部分もあったが、相手セッターに対しての読み、ブロックの手の出し方はまだまだだなと思いました」。大塚達宣選手は「スパイク、レシーブともに自分としてはやれた。相手は高さ、パワーに加えてうまさもあった。簡単にボールを落とさないところはさすがだなと」と 8日、今大会無敗のスロベニアとの対戦です。試合3時間前にはうどん、団子、おにぎりなどでエネルギー注入。特にうどんは冷たいものと温かいもので好みが分かれます。冷やしは小野寺選手と宮浦健人選手のみ。他の選手は温かいうどんを食べます。 試合は、勢いに乗るスロベニア相手に3-1の快勝!福岡大会を3勝1敗で締めくくりました。 山本智大選手は「スロベニアは世界ランキングが近いので負けられなかった。人と人の間にサーブを打ってくるのでそこを意識してレシーブをしました。国内での試合だったのでお客さんの声援が後押しになってホームを感じる大会でした」。石川主将は「チームは良かったが、自分自身はあまり良くなかった。反省しなければいけない。サーブに関しては全員がうまく打てていた。このラウンドは3勝1敗だったが完成度はまだまだ。フィリピン大会、ファイナルラウンド、そしてオリンピックと時間があるようで実はないのでしっかり固めていきたい」と前を見据えていました。 18日からはフィリピン・マニラに舞台を移し、予選ラウンド最終週に臨みます。役者もそろい、ここから五輪本番へ向けてチーム力向上を図ります。五輪へ向けたメンバー争いの激化も必至。フィリップ・ブラン監督も全選手に均等にプレータイムを与えており、誰が選ばれてもおかしくない状況です。 石川選手が話す通り、チームは未完成。近年最強と言われるニッポンはどのようなチームになっていくのか、楽しみです! ◆岸翔太郎(きし・しょうたろう)1990年(平2)5月19日、埼玉県志木市生まれ。小学校からバスケットボールをはじめ、中学時には全国大会優勝。高校、大学と強豪校でバスケを続け、その後テレビの企画制作会社へ。現在は、昨年に続き、日本バレーボール協会広報部撮影班として男子日本代表チームに帯同し、チームの日々の練習や宿舎での様子などを撮影中。