深刻化するタクシー不足の救世主?約2万台が導入する「意外な最新技術」とは
● 「タクシーがつかまらない!」 ドライバー不足が深刻に 2024年4月に法改正が行われ、トラックドライバーの時間外労働上限が、年960時間に制限された。今、話題になっている「2024年問題」である。 【この記事の画像を見る】 営業用トラックの輸送能力が減り、これまでのように物資を迅速に運べなくなった。その結果、物流業者の売り上げが減少し、ドライバーの収入も減ってしまうという問題が浮上している。 さらに、路線バスの運転手も全国各地で不足しており、運行本数を減らすバス会社が増えている。 同様に、ドライバー不足に陥っているのが、タクシー業界だ。 コロナ禍以前の2019年3月末には29万人いた全国のタクシードライバーは、2023年3月末に23万人まで減っており、わずか4年間で20%も減少している(一般社団法人全国ハイヤー・タクシー連合会の調査)。 理由は様々だが、新型コロナの影響で利用客が減少し、収入が不安定になったことが大きい。新たにタクシー業界に入ろうという若い人材も激減してしまった。 ちなみに、現役ドライバーの平均年齢は、58.3歳(厚生労働省の調査)と他の業界に比べて、かなり高齢である。 人手不足に悩まされるタクシー業界だが、その状況は都市部と地方とでは、全く異なっている。
コロナ禍が収束し、都市部では観光やビジネス利用の乗客が増えている。大手タクシー会社が多い都市部だが、それでも需要に対し供給が追いついていない。 一方、地方でタクシー業を営むのは、大半が中小企業で、ドライバー志望の人材が見つからない状態である。人手不足のため、迎車を依頼しても長時間待たされたり、断られたりすることも少なくない。 追い討ちをかけるのが、地方の交通事情だ。 地方では鉄道やバスの減便が相次ぎ、公共交通機関が以前のように機能していない地域が増えている。移動には自家用車を使う場合が多いが、加齢とともに運転に不安を覚え、免許を返納する高齢者が相次いでいる。そうなると、病院や買い物に行く際、タクシーを使わざるを得ない。 タクシーは他の交通機関と異なり、深夜や早朝でも利用できる。希望する場所へ直接行くことができる便利な乗り物である。都市部と違い、地方ではタクシーは不可欠な「住民の足」になっている。