“ダウン症の子”を子育てする母は?子どもの素朴な質問「生まれてきた赤ちゃんに障害があったら……」にどう回答
もしも、自分の子供から「いつか僕がパパになって、生まれてきた赤ちゃんに障害があったら僕はどうしたらいい?」と聞かれた場合、なんと答えますか? 【絵本】「生まれてきた赤ちゃんに障害があったら?」になんと答える? 大阪のベッドタウンに暮らす、ガードナー瑞穂さん一家。アメリカ人の夫は小学校で美術と英語を教え、小学6年生の長男エイデンくん、小学3年生の長女璃莉(りりい)ちゃん、そして、小学校1年生の次女茉莉衣(まりい)ちゃんは、それぞれが個性豊かに育っています。 そんな瑞穂さんが出版した絵本『もし ぼくのかみが あおいろ だったら』は、実の息子からの質問がきっかけで生まれた本です。 ただ、エッセイと絵本、一気に2冊の作家となるまでには、いくつもの葛藤がありました。
授業参観中、突然教室を飛び出す息子
2019年春、瑞穂さんに1つの試練が降りかかりました。 当時、小学校1年生だった長男のエイデンくんが、学校に行くのを嫌がるようになったのです。 「ゴールデンウィーク前、初めての授業参観で、みんなと同じように座って参加することができない姿を目の当たりにしました。ついには癇癪を起こして教室から走って出て行ってしまいました」(カッコ内はガードナー瑞穂さん。以下同じ) 幼稚園生だったりりいちゃんと、2017年に生まれたダウン症の次女まりいちゃんを抱っこ紐に入れて授業を見ていた瑞穂さん。「お兄ちゃん見つけてくる!」とりりいちゃんも走って追いかけていってしまい呆然と立ち尽くすばかり。 「隣にいたお母さんから、『息子さん、大物になるよ』って言われて(笑)。この状況、今思えばちょっと面白いんですけど、当時はショックでしたね」
『学校は行かなあかんもの』
そこから、登校を渋るようになったエイデンくん。 毎日学校から電話がかかってきて「少しでも連れて来てください。行かないのは癖になってしまうから、1時間でもいいので」と言われ、一緒に登下校する日々が始まりました。 「夫はアメリカ人なので『ホームスクールでもいいんじゃない』なんて言ってました。でも、やっぱり日本育ちの私は、『学校は行かなあかんもの』って思っていたんです」 学校にはエイデンくんのための別室が用意され、レゴなどで遊べるようにしてくれていたといいます。学校としては、レゴで遊んで落ち着いて、徐々に学校へ気持ちを向けてくれたら……との思いがあってのこと。 しかし、当の本人はというと、1時間も遊ぶと「もう帰りたい」と言うエイデンくん。 「毎朝別室に入ろうとするだけでも泣くんです。一体何をしているんだろう?って思いました。夫は行かなくていいって言ってても、学校からの連絡は全て私に来ますから。やりとりがしんどくて。『お願いだから学校に行ってくれ!』って思ってしまうこともありました」