日中韓首脳会談のウラで、韓国がいま直面している「文在寅問題」の“断末魔”
日朝中首脳会談のウラで
日韓中首脳会談が行われた。今回の会談は主に経済協力の検討を行う「ビジネス会談」と報じられたが、3国の首脳が集まるのが4年半振りということもあり、メディアはこの機会に大きな期待を報じた。 【写真】文在寅の「引退後の姿」がヤバすぎる…衝撃ショットを見る! しかし、そうした期待感のウラで、目立ったのはむしろ国民との温度差だった。 文在寅政権時代から引きずっている物価高の中で、韓国国民は尹政権を「日韓関係修復」という面では評価をしている反面、自分たちの生活は政権が変わっても何も変わりないという不満が爆発している。実際、尹政権は文在寅政権の失策の尻拭いをあの手この手の対応で迫られているが、まったく追いつかない。言うなれば、蛇口の壊れた水道の様に次から次へとジャバジャバと出てきている様な状態だ。 どんなに尹政権が有能であっても、前政権で5年間無茶苦茶にしてきた国、政策を短期間で正常化するのは難しい上に、選挙で大敗してしまった訳だからなおさら難しくなるだろう。 私も何度か話しているが、与党が選挙で大敗したことで、今後3年の尹政権は最後まで文在寅政権の尻拭いで終わり、日韓関係の修復以外の成果は残せないだろうと思っている。今回の首脳会談も中国を交えて一見大層なことの様に報じられているが、この会談での話し合いも次期大統領選で左派政権が誕生すれば、また覆される可能性は大きい。また、今回の日韓中会談で3国の対話が回復するとみる傾向もあるが、そこにはいつも北朝鮮問題がついて回ることも覚えておきたい。
八方塞がりな尹政権
今回の日韓中会談で活発に話されたのが3国間のFTAだという。FTAとは自由貿易協定のことで、日本政府は「我が国の対外経済関係の発展及び経済的利益の確保に寄与するとの認識」としている。一方で、韓国や中国と貿易をしてきた身としては、そんな簡単なものではないとも感じてしまう。 私も韓国で日韓、韓中と貿易をして来たが、必ずビジネスがつまずき頓挫するのは、政治的歴史観が絡んだ問題が起きた時だ。それは韓国では「反日」、中国では「反韓、反日」が起きた時なのだ。 2022年に、親中姿勢が強かった文在寅政権でも、中国からの撤退を余儀なくされた韓国企業はあった。また文在寅政権下の2022年に、新世界グループの鄭溶鎮(チョン・ヨンジン)副会長が自身のSNSで「私は共産主義(共産党)が嫌いだ」と発言して、世間を賑わしたこともある。私は零細な貿易事業をして来たが、この10年はこの2国に振り回されてばかりだった。 4月の総選挙で大敗を期した与党、尹政権は、今後3年間は身動きが取れないのは皆がわかっている。そもそも国内経済の正常化をしようにも次から次へと湯水の様に出て来る文在寅政権での失策の負の遺産が足枷になり、尻拭いが終わらない限り次のステップに行けない状況だ。