【サブスクで観るならこの1本!】ステイサムが銀行強盗!英国王室を震撼させた衝撃の実話を映画化
サブスクで映画を観ることが当たり前となりつつある昨今、その豊富な作品数故に、一体何を観たら良いのか分からない。そんな風に感じたことが、あなたにもありませんか。本コラムでは、映画アドバイザーとして活躍するミヤザキタケルが水先案内人となり、選りすぐりの一本をあなたにお届け。今回は2008年公開の『バンク・ジョブ』をご紹介します! ◇ 『バンク・ジョブ』(2008年・イギリス) (配信:Netflix / U-NEXT) プロフェッショナルな役どころの多いステイサムとはまたひと味違うテイストにも注目! 1971年にロンドンで実際に起きた「ベイカーストリート強盗事件」をモデルにしたクライムサスペンス。かつて裏社会に身を置きながらも、現在は経営難の中古車店を営むテリー(ジェイソン・ステイサム)。再会した元恋人・マルティーヌ(サフロン・バロウズ)に銀行の地下にある貸金庫強盗の話を持ちかけられ仲間を集めるテリーであったが、強盗計画には裏があり、やがて英国中を震撼させる事態へと発展していくことに……。 どんな逆境であろうと持ち前のタフネスやセンスで切り抜け、不可能を可能にしてしまう。そんなプロフェッショナルな役柄を演じることの多いジェイソン・ステイサムであるが、本作の彼は少し凡庸。突出したリーダーシップを発揮するわけでもなく、アクションシーンも控えめ。殴る・蹴る・撃つ・刺すステイサムを求めている方には若干物足りない可能性もある。が、それを補って余りある魅力が本作には詰まっている。金のために強盗を働くテリーたち、貸金庫に隠されたスキャンダル写真を確保したい政府機関、同じく貸金庫に隠されたあるリストを確保したい裏社会の大物ら、三者三様の思惑が入り混じる物語の面白さ。 それに加え、描かれていく出来事が実際に起きたのだという実話ベースの作品だからこそ生じる重みや説得力が目にする者の心をガシッと掴んで離さない。強盗に至るまでのプロセスにドキドキし、強盗後に繰り広げられる駆け引きにハラハラする。最後まで飽きの来ない良質な作品です。 (C) 2007 Baker Street Investors, LLC. All Rights Reserved. ※本稿記載の配信サービスは執筆時点のものになります。 ミヤザキタケル 1986年生まれ、長野県出身。2015年より「映画アドバイザー」として活動を始める。 WOWOW・宝島社sweet・DOKUSOマガジンでの連載のほか、ラジオ・配信番組・雑誌などで映画を紹介。イベント登壇、MC、映画祭審査員、BRUTUS「30人のシネマコンシェルジュ」など幅広く活動中。
ミヤザキタケル