水害時には「地下空間に要注意」 くわがた心さんが体験したその凄まじさ #災害に備える
7月に山形県と秋田県を襲った記録的豪雨、8月の台風被害など、今年の夏も異常気象による水害の脅威があらわになりました。しかし、秋にかけてのこれからの時期には、まだまだ大雨や台風には警戒が必要です。 今回は水害の凄まじさを具体的に想像できるよう、お笑い芸人・くわがた心さん(松竹芸能)が、水害の研究を行なっている京都大学防災研究所宇治川オープンラボラトリー(京都市伏見区)を訪ね、体を張って体験してくれました。 見えてきたのは、水害時の“地下空間”の危険性。通勤通学や買い物をする多くの人の日常生活に関係のある危険でした。
1時間降水量200ミリの豪雨に「しがみつかないと、傘を持っていかれる」
「(水害は)ニュースでは見ますけど、身近で体験したことはない」というくわがたさん。彼女のように、実際に水害を体験したことがなく、どのようなことに気をつけて、備えればよいかをイメージしにくい人も多いかもしれません。 そこで、この日は実際に起こりうる3つの水害のシチュエーションを体験させてもらうことに。案内役の川池さんがまず連れていってくれたのが、人工的に雨を再現できる装置がある室内です。 くわがたさんには、1時間降水量200ミリを想定した豪雨を体験してもらいました。7月の山形・秋田、東京・埼玉の短時間記録的大雨では1時間に100ミリを超える豪雨によって多くの被害がもたらされましたが、それを超えるクラスです。 くわがた「あああ!傘をさしてても水しぶきが!」「しがみつかないと、(水圧で)傘を持っていかれる!」 傘にたたきつけるようにして、大量の水が降り注ぎ、ずぶ濡れです。とても声が通るくわがたさんですが、傘を打つ轟音がその声をかき消していました。
豪雨の際は“地下空間”に要注意 その危険の理由は?
水害で最も危険だというのが、地下空間だと説明する川池さん。地下鉄や地下ショッピング街、地下駐車場…。私たちが日常生活で利用する場所にも、地下空間が多く挙げられます。どういうことなのでしょうか。 その地下の危険性を知るために、くわがたさんには浸水体験実験装置で、浸水した室内でのドアの開閉がいかに大変かを体験してもらいました。くわがたさんが地下の室内にいたところ、大雨で洪水が発生したと想定。ドアを隔てた向こう側から水が流れ込んでくる状況でドアを開け閉めする体験です。 まずは水深30センチ。 くわがた「え!?開かへん!ビクともせえへん!」 くわがたさんの表情からも相当力を入れていることがうかがえます。水圧で重くなったドアと格闘すること1分、ようやく開きました。 続いて、10センチ深い水深40センチに挑戦。 くわがた「ぐおっ!おっも!まったく動かない!」 ドアが全く開かないので、男性マネージャーと交代し、ようやくゆっくりとドアが開きました。 水圧がかかったドアはそう簡単には開かず、ドアを開けようとする間にも、足元から室内に雨水がどんどん入り込んできてしまう危険があることがわかりました。今回は力のある男性がいましたが、女性や小さい子どもにとっては逃げ遅れるリスクが高いと言えます。