AUKUSが「ファミリー・ビジネス」である理由
(C)Лозовая Людмила/stock.adobe.com
2021年9月に米国、英国、豪州の3カ国による安全保障協力枠組みであるAUKUSが発表されてから、それに関する国際的関心は尽きることがない。AUKUSの第1の柱である米英両国による豪州の原子力潜水艦取得のための協力については、米国での原潜建造能力の逼迫が大きな問題として議論されている。AI(人工知能)やサイバー、量子などの先進防衛技術に関する第2の柱に関しては、日本との協力の可能性などが言及されることが増えている。 以下では、そうした最新の情勢からは一歩退き、AUKUSの本質を考えてみたい。結論からいえば、AUKUSは「ファミリー・ビジネス」として捉えるのが、その性質を最も端的に示す方法だ。内部の結束が強固である反面、域外との垣根が高くなりがちであるのも、家族という性質に沿って考えると理解しやすい。さまざまな要素を順番に検討してみることにしよう。 AUKUSが何であり何でないのかについては、いまだに論争が続いている。この観点では、同盟であるのか否かが特に問われてきた。
本文:5,460文字
購入後に全文お読みいただけます。
すでに購入済みの方はログインしてください。
鶴岡路人