FTX破綻後のチャンスを逃したDeFi、まだ希望はある──2024年は「DeFiの年」
小規模なDeFiの強み
もうひとつ注目すべき点は、DeFiチームのキャッシュバーンレート(資金燃焼率:経営における消費コスト)がCeFiのライバルに比べて大きく低いことだ。 オンチェーンプロセスが日々の事務作業の大半を担っているため、DeFiチームは小規模にとどまる傾向があり、したがって弱気相場の中でもかなりの資金を投入できる。 資金調達環境は2024年に入っても、まだ厳しいままである可能性があり、同時に全体的な取引高も低水準で推移し、手数料ベースの収益に影響を与える可能性もある。これらの要因が重なると、中央集権型のCeFiは、より小規模で分散型のプロジェクトと比較して、より大きな課題に直面することになる。 簡単に言えば、DeFiは深く、長い冬を乗り切ることにより適しており、市場回復に時間がかかる中で優位に立つことができる。つまり、DeFiはまだ終わっていない。2023年は期待外れだったかもしれないが、これで終わりというわけではない。 DeFiは現状、まだCeFiに遅れをとっているが、2024年にはDeFiが一気に追いつく可能性がある。誰もが水面下で開発を進め、内部インフラを整え、有意義な業界パートナーシップを確立し、深めてきた。私は2024年は「DeFiの年」になると確信しており、まもなく何が起こるか楽しみでならない。 レイチェル・リン(Rachel Lin)氏:分散型デリバティブ取引プラットフォームSynFuturesのCEO。以前はドイツ銀行のグローバル市場部門でデリバティブを専門としており、アジア最大級の暗号資産ネオバンクであるMatrixportの創業パートナーでもある。 |翻訳・編集:山口晶子、増田隆幸|画像:Shutterstock|原文:DeFi Fumbled Its Post-FTX Advantage in 2023, but There’s Still Hope for 2024
CoinDesk Japan 編集部