「当てて倒すために闘う」フルコンタクト空手は最高に熱い
~選手が競技を長く続けられる環境整備のために
フルコンタクト空手は少しずつ盛り上がり始めたが、選手の置かれた状況は他競技とはまだまだ比べ物にならない。JKC代表として酒井代表が考えるのは、選手が競技を長く続けられる環境整備だ。 「選手の環境を作るのが最初の目標です。ジュニア年代ではフルコンタクト空手の競技人口は非常に多い。習い事感覚で女子も非常に多いのが、小・中・高校と進むにつれ減少します。世界大会はもちろん、年代別の国内大会がなかったのも理由の1つでした」 2023年からインカレ(=大学)を立ち上げ、ジュニアと一緒に大会行う形式を始めた。社会人の大会に出場するしかなかった大学生の環境が改善、そしてジュニア年代選手にとっても近い年代の目標ができた。 「ジュニア年代選手にとってインカレという目に見える形の目標ができた。まずは大学まで続けてもらいたい。そして国内大会に加え来年からは世界大会もできるので、そこへ向かって歩んでもらえればと考えます」 フルコンタクト空手は世界へ繋がる道ができたのは、選手にとって大きな喜びとやりがいになるはずだ。
~大会によって会場の雰囲気が大きく異なり勝敗も変わってくる
酒井代表がJKCと共に代表を務めるJKJO(=全日本空手審判機構)主催大会が今秋も行われる。まずは9月22日、大阪・東和薬品RACTABドームでの「第16回JKJO全日本空手道選手権大会(社会人)」と「第4回JKJO全日本シニア空手道選手権大会(年齢40歳以上対象)」だ。 「社会人の大会は5月の大会に出た選手も出場しますが、結果が同じになるとは限りません。両大会では会場内の雰囲気が異なり、普段の実力を発揮できないという選手もいるくらい。実際に戦っている選手しかわからないような、独特な空気感がそれぞれにあります」 11月17日には、東京・代々木第一体育館において「第3回全日本学生フルコンタクト空手道選手権大会(インカレ)」および「第18回JKJO全日本ジュニア空手道選手権大会(同ジュニア)」が開かれる。 「昨年は選手関係者や観客など7,088人が会場に集まった。ジャッジの正確性を高めるためにビデオリプレイシステムを採用したことも話題になりました。今年も多くの人たちに足を運んでもらいフルコンタクト空手の面白さを感じて欲しいです」 各カテゴリーの選手たちが注目を浴びる場所で闘えることは素晴らしいことだ。選手個々のモチベーションが高まり、レベルアップにも繋がるはずだ。