奥野壮と豊田裕大の気持ちの伝え方「どれだけ思いを爆発させられるか」
互いに刺激を受ける部分もある
――おふたりはお仕事をする上で、どういったことを大切にされていますか? 豊田 フラットでいることを心掛けています。 あとは悔しがれない瞬間がないように。お芝居を始めるのが遅めだったので、、できる人を見たときに「この人はすごいな」と思うだけで、悔しさを感じられないときがあるんです。それは弱さだな、と思っていて。だから、悔しさを感じられるぐらい、真剣に打ち込むことは意識しています。 ――悔しさを感じなかったときにハッとされたりするんですか。 豊田 します。常にアンテナは巡らせていたいな、と思います。 奥野 僕はもうラフに、気楽に、適当に。 豊田 いいね。 奥野 ……が、一番大事にしていることですね。 あとは人に対して否定的な意見を持つことが多いので、それをあまりしないように。みんなにリスペクトを込めて接するように、ということはずっと意識していますね。 ――人のお仕事のやり方だとかが気になってしまう? 奥野 そうです、そうです。「どうしてそういうやり方をするんだろう?」ということを感じたくないですね。僕はやらないけど、それもこの人のステキなやり方の一つだ、という捉え方をするようにしています。 ――作中では棗くんと佐橋くんはお互いの存在が仕事でも刺激になっているかと思うのですが、おふたりもそういうことはありますか。 奥野 あります。僕はすごく気楽にふわあっとしながら現場に入るんですよね。僕が悩んでいないわけじゃないんですけど、裕大くんみたいにひとつひとつのシーンに対して真摯に向き合っている姿を見ると、がんばらないとな、って刺激を受けますね。 僕もがんばっていないわけじゃないんですよ?(笑) ――それはもちろん!(笑)豊田さんはいかがですか? 豊田 刺激を受けることはたくさんあります。それこそ奥野くんに対して、常に漠然とすごいな、と感じるところが多いです。ほかの方だったり、映画を観ていて感じることもあります。 ――刺激を受けるというところを踏まえて、今回共演されて、お互いに感じた強みはありますか? 奥野 裕大くんはまさに少し棗に似ていると思いますね。 まっすぐさというか、ピュアさというか。ひとつひとつにちゃんと心で向き合っているので、それがすごく魅力だと思います。 豊田 奥野くんはルールを作るのがうまいな、と思います。自分の中である程度「ここまではいい」「ここからはダメ」というラインを作るのがうまいから、多分他人に対しても敏感になれるんだと思います。 僕はわりと受け入れちゃうというか……フラットでいるということにも多分通ずるんですけど、ある見方をすると流されちゃうみたいな。だからそれが魅力だな、と思います。 ――奥野さん自身は、ルールを決めている感覚はあるんですか? 奥野 意識することはないですけど、例えば「この人はこれ以上は踏み込んじゃいけないな」とか、「でも仲良くなるためにどうしようかな」ということは考えますね。そういうところは自然とやっているのかもしれないです。