更年期症状でよく起こる目や口の乾きは「シェーグレン症候群」かも!?【更年期症状と間違えやすい病気に要注意! ⑩】
診断は血液検査や涙や唾液量を評価
では、シェーグレン症候群の診断方法にはどんなものがあるのだろうか? 「唾液分泌の検査でガムを嚙んで唾液量を評価したり、涙の量はシルマー試験で、さらに角膜の傷を確認するなどします。血液検査では、シェーグレン症候群に特徴的な抗SS-A抗体や抗SS-B抗体の有無を確認し、総合的に判断します。 治療は、根治的な治療法はなく、症状を軽くする対症療法が中心になります。 眼の乾燥には人工涙液を点眼したり、口腔の乾燥には水分を少量ずつ持続的に補給する、シュガーレスのガムを嚙んで唾液分泌を促す、唾液の代用の洗口液を使用する方法などがあります。皮膚の乾燥には保湿剤、性交痛には腟潤滑剤などを使用すると、症状を軽減することができます。 生活の上では、エアコンや飛行機内などの空気の乾燥には注意が必要です。食事では刺激物を控えた栄養バランスのよい食事を、規則正しい生活と質のよい睡眠に気をつけて、病気と上手に付き合っていくことが大切です」
【教えてくれたのは】 小川真里子さん 産婦人科医、医学博士。福島県立医科大学 ふくしま子ども・女性医療支援センター 特任教授。日本産科婦人科学会・日本女性医学学会女性ヘルスケア専門医・指導医。専門は更年期医療学、女性心身医学、女性ヘルスケア。相談やカウンセリングを中心としたケアサポートとともに、最新のテクノロジーや視点を取り入れて、更年期を取り巻く環境や文化を積極的にアップデート。 イラスト/内藤しなこ 取材・原文/山村浩子