韓国野党第一党代表、一審で「重刑」…与野党「生死賭けた対決」に進むか
民主党、16日に「全国地域委員長-国会議員非常連席会議」
共に民主党のイ・ジェミョン代表が15日の公職選挙法違反事件の一審で、今後10年間、選挙への出馬が制限されうる重刑を言い渡されたことで、政局が大きく揺れている。予想を越える量刑に、野党では「衝撃的」という反応があふれている。野党の有力な次期大統領候補であるイ代表が「政治的没落か、大統領か」の岐路に立たされることになっただけに、野党は対与党闘争を強めるとの見通しが示されている。 「衝撃的だ」、「惨憺(さんたん)たるもの」、「何か言うのも難しいほどの量刑が出た」。この日、ソウル中央地方裁判所がイ代表に懲役1年、執行猶予2年を言い渡した直後の民主党の関係者たちの反応は、派閥とは無関係に大同小異だった。イ代表の一審判決の前は、党内では「無罪」または「被選挙権剥奪とは関係のない水準の罰金刑」にとどまるだろうとの見通しが有力だったからだ。この日言い渡された刑が最高裁で確定すれば、イ代表は議員職を失い、今後10年間、選挙に出馬できない。 党内からは怒りに満ちた反応が相次いだ。チョ・スンネ首席報道担当はブリーフィングで、「今日の一審判決は明白な政治判決」だとし、「検察がはじめた尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権の大統領候補殺し、政敵抹殺の試みに判決でこたえたもの」だと糾弾した。チョ報道担当は「民主党はイ代表と共に動揺することなく闘っていく」とし、「法律的、政治的対応など、あらゆる手段を用いて必ず勝利する」と述べた。民主党は対応を協議するためこの日、緊急最高委員会を行い、16日午後に「全国地域委員長-国会議員非常連席会議」を開催し、その後にソウル光化門(クァンファムン)広場で行われる「キム・ゴンヒ尹錫悦国政壟断糾弾-特検要求第3回国民行動の日」集会などに参加することを決めた。 一審判決に過ぎないものの、党内からは「今の司法の現実では、結果を覆すのは難しいのではないか」との見通しも示されている。予想外の判決が出たことを考えると、野党に対する司法府の公正性は担保できないというわけだ。党内では、10日後の25日に予定されている「偽証教唆容疑」の一審判決の方が今回の選挙法裁判より危険性が高いとみられてきた。派閥色の薄い民主党のある多選議員は、「選挙法裁判は最も単純で勝算が高いと評価してきたのは事実で、判決を見ると裁判所の感情が感じられる。今後、他の裁判の結果も予断はできない」と述べた。 このような理由から、与野党は今後、それこそ「生死を賭けた」対決構図へと突き進むだろうとの見通しが示されている。選挙法裁判の控訴審だけでなく、相次いで予定されている裁判がイ代表の政治生命を絶つ結果につながることを防ぐために、野党が判決の確定する前に「尹錫悦政権早期退陣」に「すべてを賭ける」可能性が高いからだ。原則的に選挙法事件は一審が起訴から6カ月以内、二審と三審は各3カ月以内に終えなければならないが、チョ・ヒデ最高裁長官は最近、この「6・3・3」原則を強調している。民主党のある再選議員は「控訴審までの3~4カ月間、党ごとに結集するにつれ、敵対的対決構図が強くなるだろう」とし、「党員の結集ではなく国民世論がどこに流れるかがカギ」と述べた。 与党は「司法府に敬意を表する」として歓迎を意を示した。与党「国民の力」のハン・ドンフン代表はこの日のフェイスブックへの投稿で、「判事脅迫『武力デモ』にもかかわらず法に則った判断を下した司法府の決定を尊重し、敬意を表す」として、「国民の力は国民と共に、司法府の独立と公正に対する意志を守る」と述べた。チュ・ギョンホ院内代表は、「(司法府は)大韓民国の正義が生きているということを示した」とし、「イ代表と民主党には、イ代表の無罪と防弾のための『武力デモ』と扇動政治を中止し、今からでも卑怯な嘘について謝罪することを願う」と述べた。 オム・ジウォン、キ・ミンド、コ・ギョンジュ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )