「横浜優勝」26億円還元から46万円純金小判まで ベイスターズ「優勝セール」に沸く横浜の商店街...経済効果は?
38年ぶり日本一の1998年の経済効果は、約58億円だったが...
横浜市が大変な盛り上がりようだが、直接的な経済効果はどれほどの額になるのか。J‐CASTニュースBiz編集部は浜銀総合研究所調査部部長・上席主任研究員の北田英治さんに話を聞いた。 北田さんはFMヨコハマの朝の番組「ちょうどいいラジオ」の経済コーナーを担当している。じつは、今回は経済効果の試算を発表していないが、1998年に横浜が38年ぶりに日本一になった時と、2017年に日本シリーズに進出した時(日本一は逃した)の2回、試算調査を発表している。 1998年時は約58億円、2017年時は約75億円だった。2017年時には、日本シリーズにおける横浜スタジアム周辺の消費額(飲食、物販、入場料、交通費、宿泊費)と百貨店、スーパーなどの優勝セール、優勝パレード時の消費を合計した。 ――今回は、なぜ経済効果の試算を行なわなかったのでしょうか。 北田さん 2017年と全く同じパターンだったことも理由の1つです。2017年も、横浜DeNAベイスターズのシーズン順位は3位で、日本シリーズの相手もソフトバンクでした。その時は、2勝4敗でソフトバンクに敗れました。しかし今回は、4勝2敗で見事にリベンジを果たしました。 ――それは盛り上がりますね。となると、今回の経済効果の額も約75億円近くになりますか。 北田さん いやあ、もっともっと高い額になるでしょう。理由はいくつかあります。横浜スタジアムには7年前にはなかったウイング席が増設され、観客数が増えました。また、7年前よりインフレ(物価上昇)が進んでいます。 具体的には、全国消費者物価指数が総合で7.1%上昇、外食で14.0%上昇、酒類で8.1%上昇、プロ野球観覧料で7.4%上昇となっています。
地域スポーツの快進撃は、地元経済の追い風になる
――ファンも増えていると聞きますが。 北田さん はい。近年のファン層の拡大はスゴイものがあります。私は年間70試合近く横浜スタジアムに足を運んで応援していますが、さまざまな記念グッズの発売やオリジナルの醸造ビール、地元有名店とコラボした料理の提供など、横浜スタジアムの盛り上がりは目を見張るものがあります。 ――そうすると、90億円、あるいは100億円突破も夢ではないわけですか。 北田さん しっかりしたデータ調査に基づいていないので、私の口から推測めいた金額を言うわけにはいきません。ただ、「かなり高い額なる」ということは間違いないでしょう。 ――今回の横浜DeNAベイスターズの優勝について、特に強調しておきたいことあがりますか。 北田さん 何よりも、地域スポーツの躍進は、そこに住む人や働く人だけでなく、そこを訪れる人たちに元気と活力を与えてくれます。最近、関東地方は強盗が相次ぐなど暗いニュースが多いですが、横浜DeNAベイスターズの優勝は、関東の人々を大いに明るくさせてくれる話題です。 プロ野球の横浜DeNAベイスターズだけではありません。サッカー、バスケットボールなどでも地域スポーツが快進撃を続ければ、地域経済にさまざまなプラス効果があり、デフレからの脱却を目指す地域経済の追い風になることでしょう。 (J‐CASTニュースBiz編集部 福田和郎)