なぜゲームはダメでサッカーはOKなの? 「ゲームばかりしている子の将来が心配です」という親への回答
◆まずは自分が満たされることが大切、その上でルールとバランスを考える
私たちは、自分が満たされて初めて他者を思いやれます。これは大人も子どもも同じです。子どもにとって自分を満たす手段がゲームであることは自然です。それを無理に取り上げたり、「ダメ!」と否定すると、子どもは反発心を抱き、親子関係が悪化することがあるでしょう。 筆者も学生時代はゲームに夢中でしたが、大学に入った時に自然と興味が薄れました。十分にゲームを楽しみ、次に興味のあることを見つけたからです。だから、ゲームをしている子どもに対しても、「好きなことを楽しんでいるんだな」と寛容に見守ってほしいです。 とはいえ、何事も偏りすぎるのはよくありません。そこで親ができるのは、「宿題を終わらせたらゲームをしていいよ」「夜は◯時までに寝ようね」などといったルールを設けることです。 このルールを親子一緒に考えることにより、子どもは自分が決めたことを守ろうとします。好きなことを楽しむことで、やらなければいけないことに取り組む活力にもつながります。好きなことを思い切り楽しむと、心に余裕が生まれ、勉強などにも意欲的になれるものです。 このように、子どもが自分を満たすことを大切にしつつ、親としてルールやバランスを意識することが、健全な親子関係を築き、わが子の成長を支えるポイントになります。 筆者がコーチングを教えている保護者の中にも、子どもとのコミュニケーションに課題を抱えている方は少なくありません。忘れてはいけないのは、親子であっても他人であり、一人の人間として互いに関わることです。 筆者が頻繁にお伝えしているのは、「親自身の否定的な思い込み」に気付くことの重要性です。強い否定の感情があると、子どもの話に耳を傾けることが難しくなり、結果として相手を理解できなくなってしまいます。 ゲームに対する「否定」も、その一例です。一度立ち止まり、自分自身の否定的な考えを客観的に見つめ直した上で、子どもに向き合うことが大切だと筆者は考えています。
▼坂田 聖一郎プロフィール
教員を13年間経験した後、独立し「株式会社ドラゴン教育革命」を設立。「学校教育にコーチングとやさしさを」コンセプトに、子どもたちがイキイキと学べる教育を実現できる世の中を学校の外から作りたいという想いで活動する教育革命家。
坂田 聖一郎(子育て・教育ガイド)