新しい見守り“デジタル近居”実現へ テレビで会話を楽しむ「ちかく」 体と心の確認が可能な距離感の提案
“デジタル近居”を実現する高齢者の見守りサービス「ちかく」は、テレビに接続された端末を通じて、家族がスマホアプリで高齢者の安全を遠隔から確認できるサービスで、専門家は、高齢者と心を通わせる技術の重要性を強調する。 【画像】遠隔地に住む家族の生活リズムなどを把握できるスマホアプリの画面
ほどよい見守り“デジタル近居”実現
家族とのコミュニケーションも楽しい、新しい高齢者の見守りサービスとは。 都内に住む寒竹容子さんが、遠隔で祖父とつながる様子を取材した。 孫・寒竹容子さん: つながった。ちょっと待ってね。 スマホ越しに映っているのは、福岡・北九州市で1人暮らしをする、祖父の佐藤弘さん(90)。 祖父・佐藤弘さん: 紗梛ちゃん? ひ孫・紗梛さん: 何? 彼女が利用しているのは、高齢者向けテクノロジーのスタートアップが開発し、14日から販売される「ちかく」という見守りサービス。 「ちかく」の特徴は、SIM内蔵の専用端末を高齢者側のテレビと電源コンセントにつなげるだけで、Wi-Fi設定やインターネット工事は不要という点だ。 端末のカメラが、部屋に人がいるかどうかを判断し、“見守る側”は、スマホのアプリで高齢者側の在宅を知ることができる。 そしてワンタッチで、テレビ電話に通じる。 祖父・佐藤弘さん: 孫やひ孫が同じ屋根の下でおるような感じです。言葉だけじゃなく表情も読める、テレビで話ができると。 在宅時に最も過ごす部屋に置かれたテレビを利用することで、高齢者側にとっては、ほぼ等身大の表情でやりとりができ、見守る側にとっては、高齢者の起床や、睡眠時間などの生活リズムを把握することが可能になる。 孫・寒竹容子さん: じいちゃんのことが大好きだし心配なのに、何もしてない自分がちょっと罪悪感みたいなのがあったが、それがすごく減りました。 2040年には、1人暮らしの高齢者世帯が約900万世帯にのぼるとの試算がある中、デジタル技術を用いた、新たな家族との距離感の提案“デジタル近居”というコンセプト。 チカク・梶原健司代表: それぞれに生活があったり、住み慣れた家があったり。デジタルの力を使い、お互い無理のない形で近居というのが、物理的なところではなく、離れていても近居みたいな、そういったことが実現できれば、今家族が抱えている課題が結構解決できる。