賀川浩さん、「日本サッカーに向けて」告別式で最後の肉声メッセージ「やってきたことを手抜きをしない。進歩の跡を止めないように飛躍していくことが大事」
サッカーW杯10大会取材などの実績が評価され、2015年に日本人初の国際サッカー連盟(FIFA)会長賞を受賞した賀川浩さん(享年99)=元サンケイスポーツ編集局長(大阪)=の告別式が9日、兵庫・芦屋市内で営まれ、約100人が参列した。 賀川さんは5日、老衰のため神戸市内の病院で死去。J1G大阪、神戸などでプレーした永島昭浩氏(60)=大阪府サッカー協会会長=や日本サッカー協会、Jリーグ関係者の他、国際スケート連盟名誉委員の平松純子さん(82)らが訪れ、最後には9月11日に収録された「日本サッカーに向けて」という肉声メッセージが紹介された。世界のスタープレーヤーを紹介し続けた賀川さんの戒名は「華筆浩徳居士」と決まった。 神戸一中、神戸大でプレーした賀川さんは1952年、産経新聞社に入社後、日本サッカーの黎明(れいめい)期から取材。90歳代でも取材、執筆活動を続けてFIFAから世界最年長ライターと紹介された。 ★日本サッカー界へのメッセージ 世界でね、これだけみんながやって、これだけ喜んで、世界の大会でこれだけの人が熱を入れてやる、こんな競技はどこにもないわけやから。せっかくそういうものを日本でもやっているんだから、日本のサッカーのレベルを皆さんで上げて、世界の上の方のレベルのサッカーをいつも観られるようにしたら楽しいわね。サッカーはやっぱりレベルアップということが非常に大事やと思います。 おもしろい遊びやからね。誰もこの遊びをおもしろないとは言われへん(笑)。みんなでやって、みんなで楽しんで、みんなでいろんな進歩を味わえるわけで。そういう意味ではサッカーというのは、やっていても、観ても、聞いても、話してもおもしろい遊び。せっかくここまで来ているんだから、日本のサッカーをもっと盛んに、日本人にとっても、日本の国民にとっても楽しみ(であってほしい)。 (日本サッカー界は)今まで通り、手を緩めない(でほしい)。ずっと日本サッカー協会、学校の先生方をはじめとして教育の方々も、それぞれのポジションの人が、一生懸命(普及、指導、強化を)やってきました。みんなでやってきたことを手抜きをしない、続いていくということが、やっぱり最大の進歩(の理由)ですよね。 こんなに短い時間の間で強くなった国もないし、こんな短い時間で技術が進歩した国もないわけで、やっぱりこの進歩の跡を止めないように。日本のサッカーは飛躍し、おもしろくしていくことが大事だと思います。