「亥の子の晩に餅ついて」100年続く伝統行事 小学生ら30人、わら棒で家々の玄関先を叩く
滋賀県野洲市吉川で、秋の伝統行事「亥(い)の子」があった。子どもたちが地域の家々を回り、わらを束ねて作ったわら棒で玄関先の地面をたたいて、五穀豊穣(ほうじょう)や家の繁栄を祈った。 【地図】滋賀県野洲市の位置 亥の子は、旧暦10月の亥の日に営まれ、近畿地方以西の農村地域に伝わる行事。吉川地域では100年以上続いているという。 現在は土曜日に行っており、今年は9日にあった。小学1~6年の約30人が参加し、午後に子どもたちや保護者らが、菅原道真の姿を描いた色紙を中央に供えた菊の花輪を作った。 夕方になると、子どもたちは4班に分かれ、作った花輪を訪れた民家や地域の高齢者施設の玄関先に供え、「亥の子の晩に餅ついて、祝わんものは鬼産め蛇産め」と歌った。その後、力強くわら棒で地面を3回たたいて厄を払った。住民から菓子をもらうと、笑顔を見せていた。