日銀、国債買い入れの「減額方針」を決定 長期金利急騰などは避けられるとみる【解説:三井住友DSアセットマネジメント・チーフマーケットストラテジスト】
減額計画は市場の安定に十分配慮したものになり長期金利急騰などの混乱は避けられるとみる
なお、日銀は現在、国債の月間買い入れ額について、かなりの幅をもってあらかじめ市場に示しています(図表2、4月~6月の予定では約4.8兆~約7.0兆円)。そのため、次回7月会合では、どのような形で減額を進めるのか(テーパリングか、それとも一気に量的引き締めか)、また、それをどう示すのか(声明か、四半期予定表か)、もとより減額の規模やペースはどの程度なのか、これらが市場の焦点になると思われます。 植田和男総裁は6月14日の記者会見で、「相応の規模」を「予見可能な形」で減額していく旨を表明した一方、日銀の国債保有残高が約597.6兆円に達している現状(6月10日時点)、長期的に望ましい残高の状態まで、減額計画期間の「1~2年で到達できるとは思っていない」と述べました。従来の日銀の慎重姿勢を踏まえると、実際の減額計画も市場の安定に十分配慮するものになると思われ、長期金利急騰などの混乱は避けられるとみています。 (2024年6月17日) ※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『日銀、国債買い入れの「減額方針」を決定 長期金利急騰などは避けられるとみる【解説:三井住友DSアセットマネジメント・チーフマーケットストラテジスト】』を参照)。 市川 雅浩 三井住友DSアセットマネジメント株式会社 チーフマーケットストラテジスト
市川 雅浩,三井住友DSアセットマネジメント株式会社
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