Ankerの最上位ヘッドホンを使ったら、イヤホンに戻れなくなった話 『Space One Pro』レビュー
日々エンタメ×テクノロジーについて発信するリアルサウンドテック編集部。腕利きの執筆陣による読み物も好評ですが、一方で若年層の読者も多い媒体として、参考にしているのは現役大学生たちの声。連載「Z世代のリアルレビュー」では、編集部にインターンスタッフとして勤務する現役大学生ライターの視点から、毎週さまざまなトピックをお届けします。今週は卒業制作に追われている中安がお送りします。 【画像】折りたたむと非常にコンパクトになるAnker『Soundcore Space One Pro』 近年、若年層を中心にワイヤレスヘッドホン市場が賑わっています。ノイズキャンセリング技術も日々進歩していて、カフェや大学での作業や通学時の音楽視聴など、私たちZ世代の生活に欠かせないアイテムとなっています。そんな中、Ankerのオーディオブランド・Soundcoreから、最上位モデルとなる『Soundcore Space One Pro』が登場しました。 ここでは、実際に製品を1週間ほど使用したレビューをお届けしたいと思います。 ■圧倒的な静けさと心地いい装着感で、没入感満載 本製品の最大の特長は、なんといってもそのノイズキャンセリング性能です。筆者はもともと1万円程度のヘッドホンを愛用してたのですが、このSpace One Proは全く別次元。6つのサウンドセンサーと環境音を毎分180回も検知して最適化するという「ウルトラノイズキャンセリング3.5」の効果は本物でした。 電車内での周囲の会話や雑音も全くといいほど気にならず、音楽に夢中で乗り過ごしそうになったり、家の中では家族からの呼びかけを何度も聞き逃してしまうほどの遮音性の高さを誇ります。一度、比較のためにそれまで使っていたヘッドホンをつけてみたのですが、あまりの性能差にびっくりしてしまいました。それほど『Space One Pro』のノイズキャンセリングは優秀です。 また、筆者のお気に入りアーティストである藤井風やKing Gnuなど、低音や高音に特徴のあるアーティストの楽曲を聴いた時の体験は圧巻でした。ノイズキャンセリングによって周囲の環境から“孤立”するなかで聴くと、高音も低音もクリアに聴こえるので、まさに「圧倒的没入感」を体感できます。 とはいえ、筆者が気になっていたのは、普段使いの装着感。以前使用していたヘッドホンでは1時間ほどで頭が痛くなってしまい、一度外さざるを得ないほどの圧迫感がありました。いくら音質やノイズキャンセリング性能が高くても……ということで、普段使いにはもっぱらイヤホンを使用していました。しかし、『Space One Pro』は違いました。2時間つけっぱなしでも全く気にならないんです。 これは、ヘッドバンド内部が5つに分かれた独自の構造によるもので、まるで自分の頭のためにカスタマイズされたかのようにフィットします。イヤーパッドの低反発クッションが耳を優しく包み込んでくれるので、むしろ装着していない時の方が物足りないくらいに感じてきます。 ■その他のうれしい機能と、唯一の“注意点” 折りたたみ可能な設計も見逃せないポイントです。一般的なヘッドホンとくらべて約50%ほどのコンパクトなサイズに折りたためるんです。さらに、その状態で机の上に置いた時のバランスも良く、スペースをとらないのもうれしいポイントです。 バッテリー持ちに優れているのも、本製品の良いところ。現在筆者は卒業制作のまっただ中で、映像編集だけでなく電車での移動中にも使っていたため、3日連続で5時間ほど使用していましたが、充電切れの心配をすることはありませんでした。最大60時間という再生時間は伊達じゃないですね。 また本製品は、2台の機器へ同時に接続ができるマルチポイントにも対応しています。筆者の場合、スマートフォンで参考動画を見ながら、PCで映像の編集をしていたのですが、いちいちペアリングし直す必要がないため、それだけでスムーズに作業が進みました。 最後にあえて懸念点をあげるとするのなら、首にかけている時の見た目。イヤーパッドの可動域が広いがゆえに、内側や外側を向いてしまうことがあるので、見た目を気にするのであればこの点だけは少しだけ注意が必要かもしれません。 その他にも、AIノイズ低減によるクリアな音声通話、『Soundcore』アプリによる音質のカスタマイズや3Dオーディオの設定など、いいところをあげればキリがない『Soundcore Space One Pro』。価格は26,990円(税込)と、高品質なヘッドホンの中では手が届きやすい価格であり、この性能を考えれば十分な価値があると感じました。『Soundcore Space One Pro』で、あなたも新しい音楽体験を始めてみませんか?
中安淳平