「捏造と冤罪を許すな!」逮捕から58年、袴田巌さん「無罪判決」に全国から集まる安堵の声 検察、警察へは猛批判が
いまから58年前の1966年、静岡県でみそ製造会社の専務一家4人が殺害された事件で逮捕され、死刑が確定した袴田巌さん。その後、無罪を主張して争い続けてきた。 【写真】静岡地裁に訪れた、袴田巌さんの姉、秀子さん 袴田さんは逮捕後、苛烈な取り調べで自白を強要され、1980年に死刑が確定していた。しかし、獄中から無罪を訴え続け、2008年に申し立てた第2次再審請求で大きな証拠をつかんだ。検察が裁判所の勧告を受け開示した証拠品のなかに、取り調べ時の録音テープや5点の衣類のカラー写真があり、捜査の違法性がクローズアップされたのだ。 2014年3月、静岡地裁が再審請求に対する決定を出し、袴田さんは48年ぶりに釈放される。しかし、検察はさらに抵抗。2023年3月になって東京高裁が5点の衣類について「捜査機関側が捏造した可能性が極めて高い」と指摘され、ようやく再審にまでこぎつけた。 「最初の再審請求から、42年も経っています。袴田さんは死刑の恐怖に追われながら、長期間の拘束により、幻覚や妄想が出る拘禁症状にいまも苦しんでいます。奪われた時間は重いといえます」(社会部記者) そして9月26日。静岡地方裁判所での再審で、判決言い渡しがおこなわれた。静岡地裁前には多くの人が集まり、傍聴席40席を求め、502人が並んだ。報道のヘリも飛ぶ騒然とした雰囲気が漂う。14時に開廷が言い渡され、ついに袴田さんへの無罪判決が言い渡された。 その瞬間、Xでは多くの書き込みがなされた。 《袴田さん無罪獲得おめでとうございます!》 《袴田事件、ついに無罪か。本当に長かった》 無実の人を死刑にするところだった、今回の事件。再審請求から42年めのこの判決に、安堵と、慰労のコメントが並ぶ。また、この判決により、逮捕した警察、起訴した検察への批判がさらに高まるのは間違いない。 《警察は反省してもらいたいね。捏造したりして無実の人を58年間も苦しませたんだからな》 《人生の半分以上を国に奪われてんだからそれ相応の対応は国もしないとな。同じような事件は取り上げられてないだけでもっとありそうやしな》 《とにかく今は、良かったとしか言えない。そして検察の捏造と冤罪を許すな!!》 《袴田さんが無罪なら真犯人はだれなんだとなるけど結局迷宮入りか》 死刑判決が出た事件で、のちに再審無罪となったのは、戦後5例め。なぜ、このようなことが起きるのか、徹底的に検証がなされるべきだろう。