<プロ野球>阪神・福留孝介から聞こえる復活の足音
■メジャー帰り 2年目には成績がよくなる 過去のメジャーリーガー野手の凱旋後の成績を追跡してみると、復帰2年目のシーズンに成績をアップさせる選手が少なくない。ロッテの井口資仁も、打率が.281→.294、出塁率が.391→.412と、楽天の松井稼頭央も、打率が.260→.266、.294→.312と、凱旋2年目に成績が良くなっている。いくらベテランと言えどメジャー野球から日本野球への再適応には時間が必要なのだろう。そう考えると、福留の凱旋2年目への期待も高まる。 福留は、いい表情をしている。特打の後には、足を止めて記者と受け答えをしていた。 「いろんなものを試しながら自分の感覚をつかんでいる。振りながら、探りながら、やっていければいいんじゃないかな。まあバットを振れる体力があったということかな。もっと精度を高めていかないと」 彼の言葉を深読みすると、おそらく序盤のクールでは、まず“振りこむ”ということに主眼をおいているのだろう。基本的なスイングの数を重ねながら、まずシーズンを戦える土台を作り、そこから次の段階として打ち損じを減らすための細かな修正を付け加えていく。 ■和田構想では5番、6番を争う 和田構想では、3番が西岡もしくは鳥谷、4番が新外国人のゴメス、5番、6番をマートンと福留で争うことになっている。福留が5番に入れば、ジグザグに組むことが可能なためオープン戦からの内容次第では、福留が5番に格上げされることは十分に考えられるだろう。また「ライト・福留」の守備力は、投手力を中心としたディフェンスを固めていく阪神の野球において大きなアドバンテージである。 緒方や伊藤ら外野の定位置争いに掛布チルドレンが台頭してきている。プライド高き男は、それらに対して練習量で無言の抵抗をしている。そう考えると目に見えぬチーム内競争が、ベテランを刺激して大きな化学反応を起こしつつあると考えることもできる。福留復活の息吹が沖縄から聞こえてきている。 (文責・本郷陽一/論スポ、アスリートジャーナル)