退職後の人生。退職後のライフプランはまず気持ちの整理をしてから、どうすればいいかを考えるようにしよう!
1971年から1974年の間に生まれた、いわゆる「団塊ジュニア世代(2024年50歳前後の人たち)」が完全に65歳以上の高齢者になる2040年まで、あと16年はかかります。この年は、高齢化社会がさらに深まる節目の年といわれています。 この「団塊ジュニア世代」の現在のライフステージは、一般的に「退職準備期」に位置づけられます。おおむね子育てが終わり、親の介護や死に直面するタイミングといえます。また同時に、自分自身の老後を意識しはじめる時期でもあります。 そこで今回は、退職後の人生設計(ライフプラン)についてどのように考えればよいかを3つの要点に絞って、簡単に伝えていきたいと思います。
退職後のライフステージをイメージする
図表1は、退職準備期を起点に、いわゆる「老後」をどのように考えればよいかを示した概略図です。ただし、いつからの時期を「老後」と呼ぶかは人それぞれです。このため、「いつ退職(完全リタイア)するか」を基準に、その後の人生設計(ライフプラン)のイメージを自分ごととして膨らませてみてください。 図表1
※筆者作成 図表1の年齢は目安であり、ライフステージを厳密に区切る必要はありません。あくまでも「自分の場合、おおむねこうなるだろう」というイメージでかまいません。 例えば、いつから退職準備期が始まるかは人それぞれです。退職準備期の終わりが、いわゆる「定年退職」のタイミングになっているだけで、いつから準備を進めればよいかは、自分自身が置かれている環境のなかで決めていけばよいのです。 一般的には、おおむね50歳前後が退職準備期の始まるタイミングといえますが、40歳などといった早いタイミングで退職または転職することもあるため、自分自身の労働観に合わせて設定するようにしましょう。 退職準備期が終わるタイミングは、いわゆる「定年退職」をする時期です。定年退職の年齢は勤めている会社によって異なりますが、60歳や65歳などと認識している方が多いのではないでしょうか。 そして、その後に来るのが「アクティブシニア期」で、おおむね75歳までと設定します。アクティブシニア期は、期間のほとんどが前期高齢者(65歳以上75歳未満)に該当するライフステージです。年金の受け取りが始まる時期と考えると分かりやすいでしょう。ちなみに、定年後に再雇用や再就職などで働くとしても、アクティブシニア期の始まりは定年退職のタイミングに合わせます。 そして、アクティブシニア期が終わると、後期高齢者(75歳以上)に該当するライフステージである「終活期」が始まります。終活期は、それまで加入していた公的医療保険制度が、後期高齢者医療制度に切り替わるタイミングといえます。 終活期が終わるタイミングは、寿命を迎える時期です。そして天寿を全うしたあとに、「死後」のライフステージが訪れる、と考えます。一般的には、ライフステージの区分に「死後」は含めませんが、国の制度や慣習、風習などを考慮し、あえて「死後」というライフステージを設けます。