いざという時に困らない「お通夜やお葬式、法要の着物マナー」とは?選び方をプロが解説
通夜や葬儀、法要は、故人の在りし日の姿に思いを馳せ、別れを告げる大切な儀式です。遺族に配慮した行動と心を込めた振る舞いを大切にしましょう。
お葬式の服装
喪主は、弔事の第一礼装である黒喪服と黒喪帯を装うのが一般的です。近しい親族は喪主と同じ装いでも問題ありません。衣紋はあまり抜かず衿元も詰め、お太鼓は大きく結ばない着付けを意識します。法要や偲ぶ会はこれらを簡略化した装いですが、奇をてらわないきちんとした装いを心掛けましょう。
【通夜・葬式】喪主として|黒喪服に黒帯を合わせる
喪主や近しい親族は第一礼装である黒喪服を装います。弔問客としては地味な色無地や江戸小紋があると便利です。 黒喪服は、染め抜き日向紋を5つ付けた黒無地のきもの、帯は黒喪帯を装う。帯あげ、帯〆など小物は黒で統一し、ぞうりは布など光沢のないものを選ぶ。バッグを持つ場合は、光沢や装飾がないシンプルなものを選ぶとよい。
【通夜・葬式】列席者として|色無地に黒喪帯で
弔問客は、通夜の席では略礼装である色無地や江戸小紋を選ぶ。色は、グレー系、青または藍系、紫系、茶系など控えめな色が一般的。「夢」「無」や梵字などの帯を合わせてもよい(写真は紺色のつづれ織、太鼓柄には「無」の字)。
必需品の数珠は忘れずバッグに。袋や房は色付きでも問題ない。
【法要・偲ぶ会】列席者として|色無地に黒喪帯で
法事や偲ぶ会にはグレー系、青系、紫系、茶系などの色無地か江戸小紋が重宝する。長襦袢は白で、半衿も塩瀬の白に。ぞうりやバッグなど小物は派手でないなら黒でなくてもよい。
7月、8月の盛夏に行われる法要や偲ぶ会に列席するとき、また新盆などは、地味な色の絽や紗の色無地と帯あげ、絽または紗、麻などの帯を選ぶと、見た目にも涼しさが漂う。
サブバッグや日傘も黒を用意していると、いざというときに便利。 全体監修=丹生谷真美 編集・文=吉岡博恵、八木あきほ(ともに婦人画報編集部) 取材協力=富澤輝実子、長谷川将平(ギャラリー厨子屋)、川島敦郎(メモリアルアートの大野屋) 衣装協力=東京ソワール、和光(五十音順) ※取り扱い商品はシーズンごとに異なります。 『婦人画報』2024年7月号別冊