元「中の人」が作ったアウディの名車スポーツ・クワトロ「そっくり」なEV! ELEGEND EL1は本家をぶっちぎる速さだった
走行性能もオリジナル以上をEVで再現
もちろん、EL1はスタイルだけでなく走りの装備も抜かりありません。前後にひとつずつモーターを搭載した4輪駆動で、搭載する80kWhのバッテリーは、400kmの航続距離を実現。最高出力816馬力を発揮して、100km/hまでの加速は2.8秒でクリア。また、最高速度は300km/h、0-200km/hは7.5秒とのことですから、アウトバーンでも無双状態で走れることは確かでしょう。 カーボンモノコックの仕上がりも美しく、高精度なこと疑いようもありませんが、EL1は前後ダブルウイッシュボーン(オリジナル同様です)と電子制御ダンパーを組み合わせています。 調節可能なアンチロールバーもカーボンで作成され、ホルツィンガー親子は「このままラリー競技に参戦できる」とまで豪語しています。たしかに、フル装備で1790kgという驚くべき車重も絶大なアドバンテージを生み出していることでしょう。 ちなみに、リヤスカットルの上にはヘルメットを載せるスペースが用意されたほか、トランクスペースは機内持ち込みサイズのケースを2個、加えてゴルフバッグも2個搭載できるとのこと。カッコがいいだけでなく、実用性までキープしているレトロフィーチャーモデルなんて、滅多にお目にかかれないはず。 なお、EL1の価格は89万ユーロ(約1億5000万円)とのことですが、なかなか戦略的な値付けかと。なんならオークションではロードバージョンのスポーツ・クワトロが50万~60万ユーロ(約8200万~1億円)で取引されており、またラリー仕様となれば100万ユーロ(約1億6000万円)を優に超えるものばかり。 パフォーマンスは明らかにEL1が勝っていると考えると、ビリオネアの方々が迷うのも致し方ないところかもしれません。
石橋 寛