ご近所にバレずに「生活保護」を受けることはできますか?病気で働けず頼れる親族もいません…
病気やけがで働けない状況になり、頼れる親族もいない場合、私たちの生活を支えてくれるものの一つに「生活保護制度」があります。 しかし、実際に受給を考えたときに、周囲に知られることなく生活保護を受けたいと考える人も少なくありません。そこで今回は、生活保護を受ける際に周囲にばれる可能性や対策について解説します。 ▼「生活保護」の受給要件とは? 親族への扶養照会は必須なの?
生活保護がばれる可能性はあるのか?
生活保護の受給手続きを行ったことが近所にばれる可能性は低いといえます。なぜなら、実際に手続きを行うケースワーカーは、公務員の守秘義務により申請者の情報を外部に漏らすことは禁止されているためです。 したがって、福祉事務所側から近隣住民や友人に生活保護の事実が伝わることは基本的にないと考えていいでしょう。ただし、申請過程で行われる可能性のある扶養照会と、ケースワーカーが資産の状況などのために自宅に訪れる調査には注意が必要です。 扶養照会とは、生活保護を申請した際に、身内に金銭的に援助できる人がいないかを確認する制度です。この扶養照会により、親族に生活保護を申請していることが知られる可能性があります。ここでいう親族には、親・子・兄弟姉妹などが該当します。
生活保護を周りにばれずに受給するための対策
生活保護を受ける際に、なるべく周囲にばれたくない場合、いくつかの対策があるので見ていきましょう。 まずは扶養照会についてです。厚生労働省 社会・援護局保護課が公表した「生活保護法改正法の概要」によると、扶養義務者への扶養紹介について、「親子や兄弟姉妹等、一般的に扶養可能性が高い者に対して重点的に行うことが多く、3親等内の親族すべてに一律行っているわけではない」と記しています。 なお、20年音信不通であるなどで明らかに扶養の履行が期待できない場合や、DVから逃げてきたなど、扶養を求めることが明らかに要保護者の自立を阻害することになると認められる者には照会していないようです。何か事情がある方はケースワーカーに相談し、説明することが大切です。 次に、福祉事務所の職員やケースワーカーの訪問についてです。自宅への訪問は、おもに受給者の生活状況を確認するために行われます。生活保護の受給が近所にばれたくない場合は、あらかじめ伝えておくことで、自宅を訪問する際に事前連絡をするなどの配慮をしてもらえることもあるようです。