旅するチョウ「アサギマダラ」が和歌山県日高町で乱舞
旅するチョウとして知られる「アサギマダラ」が、2024年も10月になって和歌山県中部・日高町の西山に多く飛来し、花のミツを吸う姿が見られました。 アサギマダラが飛来しているのは、西山の山頂付近から少し下った「アサギマダラの谷」で、2年前から町が荒れ地を整備して、チョウが好むフジバカマの花を植えています。 担当者らによりますと、2024年は気温が高かったためか、例年より1週間から10日ほど遅い、10月上旬になって、アサギマダラの飛来が始まり、中旬頃には、ピークを迎え、晴れた日には100から200の個体による乱舞が見られたということです。 アサギマダラは羽を広げると10センチ前後の大きなチョウで、羽の色は、その名にもなっている浅葱色(あさぎいろ)=薄い青緑色で、黒や褐色のすじ模様があります。そして、春に南から北へ、秋には北から南へと、海を渡る大規模な季節移動をするチョウとして知られ、西山では、これまでも、秋に多くの飛来が見られていました。 日高町では、アサギマダラの好む花を植えることでより多くのチョウを呼び込もうと谷の整備を行ったもので、谷が風をさえぎる地形になっていることもあってか、多くのチョウが飛来し、花のミツを吸ったり、羽を休める姿が見られ、その光景を見ようと、カメラマンや見物客も多くなっています。 日高町では、また、アサギマダラの渡りの実態を把握するためのマーキングと呼ばれるチョウの羽に地名や日時を書き込む活動や、その体験観察会も行っています。 この場所でのアサギマダラの飛来は、11月上旬頃までとみられ、すでにピークを越えていることから、今後は徐々に少なくなっていきます。