奈良クラブユース 内野智章監督#1「どこで誰に学ぶねん」奈良クラブユースを選んだ理由は.....。
―――興國の時も時間がない中で選手個人個人と、参考動画をLINEで共有したりと、選手それぞれに寄り添っていたイメージがありますが、選手へのアプローチの仕方も変わってきましたか? 基本的には一緒ですよ。でも今は(時間に余裕があるので)朝起きてコーヒーを飲みながらLINEを返せるし、ソファーに座ってコーヒーを飲みながら映像を見たり、色んなサッカーの情報を調べて、それをLINEで送れる。興國の時も月曜は練習が休みで水曜日は体操と、週2日サッカーはしていないけど学校があったし、部活がオフの日でも18時くらいまでは仕事をしていた訳ですよ。 今は月.木曜日が完全にオフなんです。だからそのオフもゆっくりできて、他の仕事も入れられる。さらに映像を見たりして研究をしたり探したりできるので、興國の時よりも余裕を持って一人一人とサッカーに関しては関われていますので、より深まっているところはありますね。家庭環境であるとか、学校生活のところはわからないですけど、自分に余裕がある分、サッカーの部分での選手との関りは逆に深まっていますね。 ―――奈良クラブユースでは高2でトップチームの試合に出場している、関口智也選手は凄い逸材だと思いますが、彼はどうですか? めちゃくちゃ良い選手です。CFとしては福田師王(神村学園→ボルシアMG)、鈴木章斗(阪南大高→J1湘南)に強烈な印象があって。今まで良い選手とは沢山対戦してきたし、見てきたんですけど、印象って自分でコントロールできないじゃないですか?そういう意味でも凄く印象に残っているのはその2人だったんですが、(関口は)3人目ですね。それぐらいの素材ですね。 ただ、中学生の時に社会人チームに入ったりして、育ってきたサッカーの環境が少し変わっているので、身に付いていないといけないものとかが意外と身に付いていない。それはダリオも凄い危惧していて、足りないものはいっぱいある。でも、それだけ足りなくてもJ3で試合に出ちゃうくらいの逸材です。サイズも184cmくらいあって、スピードもあって、両足でまあまあえぐいシュートを打つ。決定力も高いし、頭でも点を取れて、技術もしっかりしている。だからCFとしては、福田師王、鈴木章斗以来の衝撃でしたね。めちゃくちゃ凄いですよ。 だからトップでもっと試合に出るか、プリンスに上がって試合に出れれば、絶対に(年代別)代表に呼ばれるやろうなと。トップにおるけど言うほどは試合に出れないし、ユースにおっても県リーグだから代表に呼ばれていないだけで、それぐらいの素材です。 ―――(関口選手の前所属チームは大阪)大阪だとガンバとセレッソが最初の選択肢になっている中で、彼のような選手が奈良クラブユースにいるというのは凄いことですよね。 彼に関しては色んな奇跡が起こっていますよ。でも3年生に川井大地(2025シーズン トップ昇格内定)っておるんですけど、彼も興國におっても10番を付けれるくらいの素材です。彼にもビックリしました。川井も180cmくらいあって速いんですよ。で、多分GK以外全部できます。身体能力もあるしサッカーIQも高い。こんな選手がいるのかと。ワーチャレ(神村学園、静岡学園、昌平、興國、奈良クラブユースなどが参加しているフェスティバル)とかでも見たことはあったので、そこそこやるのはわかっていたんですが、あの二人に関してはこんな素材がいることに衝撃を受けましたね。 1年にも浜名元希という面白い子がいて、身体能力は3人の中では一番低いんですけど、ドリブルはちょっと見たことがない感じです。アメージング(アカデミー)出身で中学時代は昌平の大谷湊斗君とはチームメイト。川井はインテリオールで、湊斗君はFWで。川井も相当なタレントですよ。 #2につづく (文・写真=会田健司)