巨人・原監督を直撃「今は耐えるとき」
原監督の悩みの種は、何も打線だけではない。エースの菅野が戦線離脱したことで、ローテーションに勝ち星の計算が立たなくなった。また山口、マシソン、西村の中継ぎ3枚も崩壊。西村は、現在、2軍に落ちている。その中で光が差したのは15日の広島戦での内海の3勝目である。原監督も「菅野がアクシデントでいない中、内海が勝ったことが非常に大きい。チームに自信を与えてくれます」という。そして続けて3人の投手の名前を出した。「澤村も再調整で遅れていますが、ここまで小山が頑張ってくれています。それと久保と田原。脇役がなんとかしのいでくれています」。 4年目の小山は、5月25日の交流戦、日本ハム戦で今季初先発初勝利を奪うと、ここまで9試合に先発して4勝無敗、防御率2.67でローテーションを守っている。久保とサイドハンドの田原は、山口、マシソンへとつなぐ狭間のイニングで存在感を示している。阪神の岡田彰布監督が“JFK”と呼ばれるウィリアムス、藤川、久保田の3人で7回からの3イニングを抑えきる野球を確立して以来、現在の野球では7回が非常に大事なイニングだとされている。その7回を不調のリリーフ陣に代わって埋めているのが久保、田原らで、原監督は、“脇役”という言葉を使って高い評価を与えた。先発の充実と同時に、山口―マシソンへ、つなぐまでの空白のイニングのやりくりが優勝へのキーワードというわけである。 原監督が考えている優勝チームの輪郭は、その言葉から、うっすらと見えてきたが、まだ、それが確信に変わるまでにはない。原監督は、最後にこう激白した。「セのペナントレースは、横浜DeNAまでを含めて混セの状況です。今は、我慢、耐えることしかありません。持ち場、持ち場で、それぞれが自分の仕事をまっとうしながら我慢するしかありません。厳しい采配? 私は選手を信じていますから」。 19日からは強打のヤクルト、中日との6連戦。26日からは阪神との3連戦が控えている。 (文責・駒沢悟/スポーツライター)