『dancyu』植野広生元編集長と玉袋筋太郎、「運命です!」 BSフジ&BS―TBSの人気番組がコラボ 「食」と「酒」の爆笑インタビュー
月刊誌「dancyu」の植野広生・元編集長(62)が出演するBSフジ「日本一ふつうで美味しい植野食堂」(月~木曜午後6時)とお笑い芸人・玉袋筋太郎(57)が出演するBS―TBS「町中華で飲(や)ろうぜ」(月曜午後10時)が局の垣根を越えてタッグを組み、2人が双方の番組で「食」と「酒」を語るコラボ放送が決定した。オンエアを前に旧知の仲の2人が本紙の取材に応じ、「これは運命です!」と猛烈にアピールした。 人気番組同士のコラボは、ラジオなどで共演歴があり、飲み友だちでもある植野さんが玉袋に話を持ち掛けたことから実現した。 玉袋は「お互い”町ブラロケ”をやってる人間同士、これは運命です!」とキッパリ。植野さんは「以前、ラジオの収録だったはずが、気が付けば2人だけで中目黒で飲んでた」と、仲の良さを明かした。 数々の町中華に足を運び、店主たちのエピソードを引き出しながら交流する玉袋。店を訪ね、店主に手ほどきを受けたメニューを自身で料理する植野さん。玉袋は「町中華はオアシス。東京砂漠のオアシスだよ。肉食系、草食系も入り交じって”ジャングル大帝”なんだ」と強調すれば、植野さんは「そうなんですよ。食うか食われるかの中で命を守るため、同じ水(酒)を飲むんです」と重ねた。 食と酒について大の”食いしん坊”の植野さんは「いい店に行くと、湯上がりじゃないけど朗らかな気分になる。いい店はそんな店です」と語る。 2人の共通項は”昭和”でもある。昭和のダジャレを連発する植野さん、番組でも昭和世代を歓喜させるトークが魅力の玉袋。植野さんは「令和のダジャレ言われても困る。番組で行く店も若い人が増えてて、昔の人名ネタが通用しないことがある。例えば、『大さじ半分』と言われたので、『(女優の)范文雀(はんぶんじゃく)』と言っても全然分からない」。すかさず玉袋は「『サインはV』と返してこなきゃなぁ」とフォローした。 玉袋は「俺は絶滅危惧種。町中華も昭和の店がだんだん減っている。大型店の進出などでシャッター通りとかになっている商店街の町中華が踏ん張って、そんな状況をうっちゃってほしいんだ」との思いを披露した。 全日本スナック連盟会長でもある玉袋は「町中華と同じでスナックもセンサーが大事。使わないと鈍るんです」と店選びの技術を挙げた。これに植野さんは「(店は)センサー(千差)万別(笑)。店の雰囲気作るのはお客さんだよね」とうなずき、「予約の電話入れるときにどんな声が返ってくるか。『おっ、昼寝してたな』とかネット予約じゃ分からないでしょ」 店との関係について持論も展開。玉袋は「俺が通っていたつけ麺屋は酒とチャーシュー食って帰っちゃう客がいて、主人も分かってていきなりビール出す。閉店しちゃったけど、30年前にみそラーメン食べに行った店は『ネギ大盛り』と頼んだら次から何も言わなくても自動的に大盛りに。信頼関係ですよ」。植野さんも「築地の店は黙ってても麺少なめ、シューマイ2個が出てくる。コミュニケーションが大事」と意見は一致した。 「そんな店が3軒あれば人生十分。玉ちゃんと飲んでると、スッと入っていける店が3軒と、友だち少ないけど、親友3人もいればいい」と植野さん。玉袋も「『友だち300人いる』と豪語するような人は信用しない。俺は友だちづくりは(広く浅くの)散弾銃じゃなくて一発必中のスナイパーだから。(店も友人も)量より質だよな」と人生論を展開した。 それぞれの番組について玉袋は「町中華は店が減っていく業界。遠くのMLBの大谷翔平選手もいいけど、自分の身近にも手が曲がっても鍋を振り続けるかっこいいスーパースターがいることを知ってもらいたい。番組後半を担当している(女優の)樋口日奈と清田みくりには人と触れ合いスキルを磨いて、すてきなレディーになってほしい」と願う。 そんな玉袋に植野さんは「『町中華で飲ろうぜ』は教育番組です」と”エール”を送り、自身の番組に「町場の店がどう作っているか。聞いても『普通ですよ』と答える当たり前のかっこよさを伝えていきたい」と語った。 盛り上がった2人。玉袋は「2つの番組は(経営統合の)ホンダと日産みたいなもんだよ」、植野さんも「レギュラー放送でも統合しますか(笑)」と息の合ったジョークを飛ばし、笑いが尽きなかった。 ◇ BSフジは新年1月13日、玉袋オススメの町中華を訪ね、14日は2人が総菜店で昼飲みを楽しむ前後編で放送。BS―TBSは同27日、2人が町中華で杯を重ね、語り合う模様を放送する。 ◆町中華で飲ろうぜ 2019年4月にスタート、東京都内を中心に町中華を玉袋らが訪ね、自慢料理、店の歴史や店主らのエピソードを紹介。ビール大瓶の容量から「633は大人の義務教育」、最初の1杯を「気道確保」など番組で登場するユニークな決まり文句も親しまれている。 ◆日本一ふつうで美味しい植野食堂 2020年10月にスタート。「dancyu」の元編集長・植野広生さんが料理店の厨房(ちゅうぼう)に入り、数々の自慢料理を店主に教わり、仕上げていく模様を紹介。放送は400回に迫り、植野さんの軽妙洒脱(しゃだつ)なトークも人気。
中日スポーツ