中国が拿捕の台湾漁船 乗組員4人が解放 船長と船はいまだ拘束状態
(澎湖中央社)離島・澎湖船籍の漁船「大進満88号」が7月に中国に拿捕(だほ)された問題で、拘束されていた乗組員5人のうち船長を除く4人が13日、解放された。拘束は40日以上に及んだ。依然として拘束されている船長と漁船は、法的手続きが完了してから釈放される見込み。 台湾人2人(船長含む)とインドネシア人3人の乗組員を乗せていた大進満88号は7月2日夜、中国福建省に近い金門島周辺の海域でイカ漁を行っていたところ、境界線を越えていたとの疑いをかけられて中国海警局の立ち入り検査を受けた。その後、福建省の囲頭港に連行された。当時、中国は禁漁期間中だった。海洋委員会海巡署(海上保安庁に相当)によると、立ち入り検査を受けた海域周辺は以前から台湾と中国双方の漁船が共同で操業する水域だった。 解放に際しては、澎湖海峡両岸交流協会前理事長の林炳坤元立法委員(国会議員)と陳双全前澎湖県議会副議長が、12日に中国側の関係者と共通認識を形成。林氏らは13日午前に中国福建省で乗組員5人と面会し、中国側が手配した船で船長を除く4人と中国を離れた。台湾海峡の暗黙のライン「中間線」で台湾側の船に乗り換え、澎湖に向かっている。 陳氏は船長と漁船について、法的な問題に触れているため、関連の手続きが終わってからの釈放になると説明した。 (編集:田中宏樹)